先に動けば、仕事は増えない。上場期を支えた”攻める経理”の効率仕事術

Interviewee

高柴 仁美

永田 祐樹

2022.1.20

会社がどんどん成長を続けていくということは、発生する経理業務も増えていくもの。事実、新しいメンバーも加わってきており、さらなる成長に向けて万全の体制を敷こうとしている。しかしこれまでカオナビの経理実務を担ってきたのはたった2名。仕事量が増えているであろうなか、カオナビが謳っている「残業時間の短さ」も実現し続けてきました。

効率的に仕事を進められている秘訣は何なのか。経理財務グループの永田祐樹さん、高柴仁美さんにお話を聞きました。

「残業時間の少なさの理由」が知りたくて転職

お二人がカオナビにジョインする前のキャリア、転職を決めた理由について教えてください。

永田

私は青果小売業を営む会社で経理をしていました。歴史の長い会社だったため、アナログな部分が多かったですね。転職を決意したのは、経理としてスキルアップするためにも上場している、かつシステマチックな会社で働いてみたいと思ったからです。

コーポレート本部 経理財務グループ
永田 祐樹
全国約100店舗を構える青果小売業を営む事業会社に入社し、財務経理部経理課に所属。一連の決算業務に加え、軽減税率対策プロジェクトのリーダーを務める。現在は売上業務を中心に、幅広く経理実務に従事。

高柴

カンパニー形態の親会社の経理として、基本的な決算業務や債権管理といった業務を担当していました。転職したいと思ったのは、自分の体調を含め、ライフワークバランスを考え直したいと思ったから。前職では親会社の経理と子会社3社の計4社分をほぼ一人で担っていたため、残業時間が月40時間程度、年度決算時期には100時間ほどと多く、このままだと体調を崩してしまうだろうという懸念があったんです。そこに加えて、視野を広めたいという想いもありました。

コーポレート本部 経理財務グループ
高柴 仁美
新卒で介護事業運営会社の本部に経理として入社。子会社5社の連結会計業務を含む、経理実務全般および新入社員への教育・指導を経験後、2018年12月にカオナビへ入社。現在は経費に関わる実務全般および債権管理等の作業に従事。

転職先にカオナビを選ばれた理由は何ですか?

永田

前の会社がカオナビを使っていたので、多少なりとも知見がありました。また、私も高柴さんと同様、前職では残業時間が月平均30時間、繁忙期で80時間と長かったんですよね。当時、カオナビは「職種を問わず残業時間は数分だ」と謳っていまして、そこにも惹かれました。残業時間を減らしたいというより、「どうやって減らしているんだ?」と興味が湧いたんです。

高柴

私も、1日当たりの残業時間が数分程度と一桁台なのを見て気になっていました。それだけ残業時間を短くできているのは、社内の整備や社員の意識がしっかりされているからなのかなと思っていましたね。そうした会社のビジネスの仕組みを知ってみたい、そうした環境で成長したいと思ってジョインを決めました。

カオナビは「いい意味でドライ」

事前に抱いていたイメージと入社後に感じた印象とのギャップがあればお聞かせください。

永田

私は面接時からドライな印象を持っていました。というのも、他の会社が和気あいあいとした雰囲気の面接をされる中、カオナビでは聞きたいところに的を絞って進めている印象を受けたんですよね。こうした部分をネガティブには捉えませんでした。面接の手配や対応のスピードが他社より速く、入社を決める要因の一つになったほどです。入社後も、ドライな印象は変わらないですね。いい意味でドライな社風、言い方を変えれば「大人なベンチャー」だなと思っています。

高柴

私は逆で、面接を担当された方のうち一人がフレンドリーなタイプの方だったため、アットホームで和気あいあいとやっている会社なのかなと思っていたんです。いざ入ってみると、仕事とプライベートの線引きをしっかりされている方が多いなと感じました。むやみやたらと「今日、飲みに行くか」と誘ったりする風習がないんですよね。でも、コミュニケーションが少ないわけでもないですし、仕事で連携すべきところはしっかり連携できているという印象があります。

高柴

あと、残業ですね。本当に少なかったです。入社して1ヶ月くらいは新入社員だからかもしれないと思っていたんですが、その後も少ないままで。他の会社を見ていても、システムエンジニア(SE)は夜まで仕事をしているイメージが強かったんです。でも、カオナビのSEは定時が近づいてくると仕事を終える雰囲気が出てきて、ほぼ定時で帰っていく。残業を当たり前だと思っていた私にとっては、19時くらいにはほぼ社員がいない状況は驚きでしたね。仕事の進捗管理や期限を自分の中で設け、きちんとスケジュール管理されているなと思いました。

役割分担をして実務に取り組む

カオナビで担当されている仕事内容を教えてください。

高柴

入社してから今に至るまで、基本的に経費に関する業務全般を担当しています。「カオナビ」というプロダクト開発の発生がある企業のため、原価集計作業をしたり、四半期や年度決算時の監査法人対応を行っています。あとは日々の出納管理、業者への支払い手続きなども行っています。

永田

入社時から主に売上に関する業務に携わってきました。

お二人が連携されることはないのでしょうか。

永田

基本的には収入、支出でざっくり担当を分けていますが、時には二人でやることもありますね。

高柴

私の業務のうち、ボリュームが多いところを手伝ってもらうことがあります。

これまでのお仕事で、特に大変だったことはありますか?

高柴

そこまで、「これ」といったことは今のところないですね。大変になるんじゃないかなと思ったのは、コロナ禍に入ったタイミングです。当時は経理はデスクトップパソコンを使用していたのですが、インフラ周りを切り替える整備が大変なんじゃないか、在宅での業務が出来るのかという不安があったんですよね。でも、実際には情報システムグループに早々にインフラ整備をしていただいたおかげで、「明日から完全在宅です」と言われたときにも不安なくすんなりいけたかなと。永田さんは何かありますか?

永田

収益認識基準が変わったときでしょうか。本会計年度から適用された制度で、ざっくり説明すると、売上の認識の仕方が変わったんです。これまでと比べ、1社1社の売上を正しく計算するのが煩雑になったのが大変だったかなと。

どう対処されたのでしょうか。

永田

型を作りました。こういう請求パターンならこういう処理にしようと決め、型に当てはまるものは決まった処理をするようにして乗り切ってきた感じですね。私だけで乗り越えたのではなく、営業企画の方にも協力してもらい、型に当てはめるだけでできるような仕組みを作ることができました。

作業量が増えるも残業時間が増えない理由

会社の成長に伴い、経理の仕事も大変になるのではないかと思います。体感としていかがですか?

高柴

永田さんが入るまで、一人で仕事をしていたときにはきつさを感じる部分がありましたね。これはそろそろパツパツだなと。その後、永田さんが入ってきてくれたあとは、一部連携し、口頭で共有もしながら、うまくバランスが取れているのではないかと思います。

永田

個人的には、高柴さんの事前準備力が高いため、問題なく進められているのではないかと思っています。「こういう事象がこれから起きる」とわかった時点で、準備しておくべきことや確認しておくべきことを洗い出し、必要であれば税理士や監査法人に先んじて相談されているんですよね。だからこそ、スムーズに処理ができているんじゃないかなと。高柴さんは、そのあたりの情報のキャッチアップを得意にされていると感じています。アンテナを張ってくださっているところに助けられていますね。

高柴

そう言われて「そうなんだ」と気づきました(笑)。私はこの仕事スタイルに慣れているので、事前準備が助けになっているという自覚があまりなかったです。

どこにアンテナを張られているのでしょうか。

高柴

経理に何らかの影響が及びそうなことですね。例えば、雑談レベルで人と話しているときに社内で新たな事象が発生しそうな場合に経費申請に少なからず影響があるのではないか、今までにない会計処理や費用が発生する可能性があるんじゃないかと気付けるポイントがあるんです。そこで、関連する部署に「どういう内容の費用が発生しますか」と前もって確認を行ったり、後に他部署への影響する事象が起こらないか等の問題が生じないかを事前に考えるようにしています。また、他部署に影響がありそうな場合には事前に共有することも心がけています。

これはコロナ前なのでずいぶんと前の話になってしまうのですが、海外出張に行く人が出たとき、人事と事前に連携を取って保険の手配をスムーズに行ったという事例がありました。出張する人は旅券を取りたいと経理に言いにくるんですけど、経理では海外出張の際の社員の保険の手配はできません。そこで人事に情報を共有し、保険を手配してもらい社員に不安を与えることなく出張できるように努めました。

関係各所とも連携することで、スムーズな仕事が可能となっているんですね。先ほど、「二人体制になってからはバランスが取れている」とお話がありましたが、とはいえその後も会社は成長を続けています。仕事量には変化がありますか?

高柴

入社当時と比べると、確認にかかる工数は増えたと感じますね。事業拡大において新しい費用が発生すると、どういう内容なのかを確認しなければいけないため、他部署の人にも「どういう費用ですか」と声を掛ける機会が増えたかなと。

永田

会社が成長することに加え、制度が変わることで増えた業務もありますので、私も業務量は増えたかと思います。

それでも残業時間が増えていないのは、一体なぜなのでしょう。

高柴

業務で前倒せるものは前倒すようになったことが関係しているのではないでしょうか。例えば、以前までは毎月1日にスタートして5日以内に収めていた作業があるとして、量が増えると同じ労働時間で収めるのは難しい。そこで、前の月にできることを見つけて作業しておく。昔は請求書が出てきてから「これ、何だろう?」と考えることが多かったのを先に内容を聞いておくようにしたりですとか、自分のスケジュールの立て方には変化がありました。また、請求書を出す社員側にも変化があり、「この費用が発生したときには経理に先に言っておいた方がいいかもしれない」と声を掛けてくれるようになったとも感じています。

永田

売上業務にはかなり手作業の部分があったため、手の空いたタイミングでExcelの数式を入れて自動的に算出できるようにしていったという工夫はありますね。できるだけ手作業を減らしたいので。その積み重ねが仕事量の変化に伴って残業時間が増えていかない理由だと考えています。

高柴

ただ、あくまでもこれまでの業務量での話です。この人数で何とかなってきましたが、ここから急に社員が増え、経費が増えるなんてことがあれば、つらくなるのかもしれません。

永田

そうですね。でも、客観的に見たら、今の仕事量でも二人で実務業務がこなせていたのはすごいのではないかと思います(笑)。

高柴

慣れてしまって、脳が麻痺してしまっているのかもしれませんね(笑)。

フィットするのは積極的に発信できる人

コーポレート本部としてのミッションやビジョン、カルチャーについてお聞かせください。

高柴

事業の成功を専門性の高いプロとして支えるのがミッションですね。そのミッションに対し、会社が成長し日々変化する中で、どのようなことが起きてもスピード感や温度感を変えずに、各部署が連携して専門性高くベストを導き出して会社を支えることがビジョンみたいなものになるのかなと思います。

カルチャーとして挙げるなら、スピードへの意識ですかね。一部署で成り立つこともありますが、新しい制度で会社が何かやりたいとなれば、最終的に他部署と連携する必要があると思うんです。各プロとして意見を出したり問題点を洗い出したりして、制度が出来て動き始める前につぶしておく。そうすることで、いざ始まったときにスムーズに遂行できると感じています。

永田

今、高柴さんがおっしゃったように、本部内での連携は緻密ですね。私たちだけが意識しているのではなく、コーポレート本部のグループすべてが高い連携意識を持っていると思います。高柴さんは特にアンテナを張るのに長けていますが、他の全員にもアンテナを張ろうという意識がありますね。

お二人が感じる、カオナビコーポレート本部の良さは何でしょうか。

永田

これはコーポレート本部に限った話ではないと思いますが、社歴や役職関係なく、平等に扱ってもらえるところですね。仕事の進め方が各個人に委ねられているので、働きやすい環境だと思います。

高柴

コーポレート本部の良さで言うと、カオナビで何か制度や取り組みが新しく始まるとなったとき、最初の形作りから確立させるまでの一連の流れが見えることだと思います。作り上げるまでにどのような問題点があり、そこに対して各部署がどう対処してどう解決していくのかが見えるんですよね。

永田

確かに。前の会社だと、上司たちが制度や処理方法を決めて、下には作業だけが降りてきていたので、物事が決まった背景は何もわかりませんでした。カオナビでは上司同士のやり取りや進捗状況もかなりリアルに見られます。一従業員が知れたり参加できたりするのは貴重かもしれません。

高柴

自分たちも一緒に作り上げているという実感が持てますよね。

そうしたカルチャーがある中で、どのような人が向いていると思われますか?

高柴

成長フェーズの会社なので、自分で考えられる人、未来を見据えて行動できる人が向いているんじゃないかと思います。成長と共に生じる変化の一連の流れを見ながら働きたい方には魅力的なんじゃないかと。

永田

先ほども申し上げた通り、部署間での情報共有を盛んに行っているため、自分から積極的に発信できる人はマッチすると思います。役職、社歴関係なく自由に発信できる環境を活かして主体的に動き、当事者意識を持って仕組みを考えたり組織を変えたりしたいという意欲を持っている方ならやりがいを感じられるのではないでしょうか。

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