リリースして終わりではない。顧客の課題解決を目指すPdM。

Interviewee

中村 文彦

2023.3.2

プロダクトをより使いやすく、ユーザーの課題解決に導くツールへと進化させるため、日々機能改善や拡張を重ねるプロダクトマネージャー(以下、PdM)。「カオナビ」におけるPdMの面白さはどのようなところにあるのでしょうか。

2022年1月に入社し、プロダクト本部サービス開発部でマネージャーを務める中村文彦さんに、入社を決めた経緯や現在のミッション、今後目指す姿について聞きました。

営業やマーケ・CSを経験し、「いちばんチャレンジング」なPdMの道へ

中村さんは入社前から「カオナビ」のユーザーだったそうですね。

中村

前職が「カオナビ」を導入していて、私はマネージャーとしてチームメンバーの評価運用に活用していました。これまで述べ10年以上、評価する側を経験してきましたが、正直「評価業務ってけっこう現場に負担がかかるな」という課題感がありました。

評価は組織運営に欠かせないプロセスですが、マネジメント側は何が正解なのか分からないし、誰かがやり方を教えてくれるわけでもありません。ですからフィードバックは毎回悩み、時間もかかっていました。チームメンバーからも「どのように評価シートを書いたらいいかわからない」という声も挙がっていました。

このような実体験から「少しでも運用を効率化して、その分業務に集中できる環境が作れたらいいな」と思っていましたし、「もっと最適化できるのでは」と漠然と考えていました。

プロダクト本部
サービス開発部Kaizen2グループ
マネージャー
中村 文彦
マーケティング会社を経て、IT系企業でグループウェアの開発・販売を経験したしたのち、2022年1月にPdMとしてカオナビに入社。Kaizen2グループのマネージャーとして、チームマネジメントと並行しながら「スマートレビュー」の機能追加や修正に従事。

転職の経緯を教えてください。

中村

前職では中小企業向けのグループウェアの開発・販売に従事していて、100社ほど導入ができたのですが、社内の予算との兼ね合いでうまくスケールできなかった経験がありました。

そこでは、営業やマーケティング、カスタマーサクセスもすべて自分で担当していました。事業をグロースしていく充実感はありましたが、一方でお客様からのフィードバックを自分の手でプロダクトに反映できないもどかしさを感じていたんです。「このままでは “器用な便利屋”でキャリアが終わってしまう」と危機感を感じ、転職を決意しました。

入社の決め手は何だったのでしょうか。

中村

いちばんの理由はPdMの仕事にしっかりと向き合いたかったからです。今までのキャリアを活かして営業やマーケティングに進む選択肢もありましたが、自分にとっていちばんチャレンジングな道だったのがPdMでした。

プロダクトの開発手法には、マーケットインやプロダクトアウトなどさまざまなアプローチがありますが、自分は開発側に振り切ってよりよいプロダクトを作り、世の中に示すことでビジネスに貢献したいと考えました。

そんな時にカジュアル面談の機会があり、話を聞くとチームの自由度も高く、裁量を持って働ける環境がある印象を受けました。ワークライフバランスも整いそうだし、ここでなら自分のやってきた経験を活かして即戦力になれそうだと直感しました。

「人事担当の方がより使いやすいプロダクトにすること」がPdMのミッション

中村さんの現在の業務内容を教えてください。

中村

サービス開発部Kaizen2グループのマネージャーとして、チームをマネジメントしながらPdMの仕事に携わっています。

「kaizenグループ」はその名の通り、プロダクトの“カイゼン”が主なミッションです。私がマネージャーに就任するタイミングでグループが2つに分かれ、私たちKaizen2グループは評価運用業務の効率化を支援する「スマートレビュー」の拡張をメインに担当しています。

実は転職当初、マネジメントよりもプレイヤーとして専念したい志向が強かったのですが、現在はPdMとマネジメントの業務比率を6:4くらいにしながら、両立して働いています。

チーム体制はどのようになっているのでしょうか?

中村

メンバーは業務委託を含めて15名ほどで、専門性に長けたメンバーが揃っています。

スマートレビューはすでに完成されたプロダクトなので、営業やサポート、CSと、顧客のご意見やご要望をもとに改善するのが通常のフローです。入社して感じるのは「お客様からのご要望の解像度が高い」ことです。「この課題を解決したい!」とお客様から具体的な要望があるととても期待していただいていると感じるので、良い機能をリリースしたいと思いますね。そのために、ニーズを受けてどのような機能を拡張するのが最適解か、チームメンバーと議論しながら開発を進めています。

PdMの仕事において心がけていることは?また、スマートレビューの拡張において、基準のようなものはあるのでしょうか。

中村

お客様の期待値に応えられるよう、できるだけコンスタントかつ高頻度でリリースすることを心がけています。目的は「人事担当の方が使いやすいプロダクトにしていくため」です。

評価運用の目的は、従業員を評価しよりよい組織にすることです。これはどの企業にも共通しています。評価業務を担う人事担当者からはできるだけ操作の負担が少なく、管理しやすいプロダクトが求められています。個別の課題とビジョンを照らし合わせ、課題解決につながるものであれば開発を進めるといった体制をとっています。

ユーザーからはどのようなご要望をいただくことが多いのでしょうか?

中村

既存顧客、新規顧客でそれぞれ傾向が異なります。

既存顧客からは「評価項目の設定時間をできるだけ短縮したい」というニーズが大きいです。「カオナビ」は評価機能設定のカスタマイズ性が高いため、自由度を維持しながらいかに操作の負担を減らせるかが課題です。

新規のお客様からは人事担当者が従業員に展開する際に「できるだけわかりやすく、社員が直感的に操作できるものがほしい」というご要望を多くいただきます。

プロダクトの改善を通して顧客の課題を直接解決できるのがPdMの醍醐味

これまで携わった仕事の中で印象的なプロジェクトは何でしょうか。

中村

やはりメインで関わっている「スマートレビュー」です。業種・業態を問わず利用されていて、人事だけでなく評価者、被評価者が使う機能であるという前提のもと、設定の自由度や使い勝手の良さは維持したまま、承認者設定にかかる時間短縮や権限設定をより直感的に行えるような改修を行ってきました。

もう一つ挙げるなら、VOC(ボイス・オブ・カスタマー:顧客の声)とVOE(ボイス・オブ・エンプロイー:従業員の声)の分析です。入社して最初の2〜3ヶ月、業務把握も兼ねて過去のご要望・ご意見をチェックし、傾向や内容を分類しました。スマートレビューに関するものだけで、1000個以上の声があったと思います。時間も労力もかかる仕事でしたが、結果的に課題が整理でき、今の仕事にも生きています。

仕事のやりがいをどんな時に感じますか?

中村

スマートレビューは導入企業様のほぼすべてが利用している機能です。ユーザーからの期待値が高い分、よりよいプロダクトを提供できた時はやりがいを感じます。

入社して驚いたのは、リリースからわずか30分後にお客様からのフィードバックをいただいたことです。顧客と接点を持つCSの対応も迅速だし、社内の連携体制も密な組織だなと思います。

PdMになって面白いと感じるのは、カイゼンを通して顧客の課題を直接解決できる点です。これまでのキャリアでもどかしさを経験したからこそ、細やかな提案ができるし、他部署の販売や営業、CSに対してもリスペクトを持って働いています。

プロダクトアウトの改善も視野に入れ、メンバー個々人が自立した組織へ

中村さんは2022年上半期のベストマネージャー賞を受賞したとお伺いしました。この賞の詳細と、受賞できた理由はどうお考えですか?

中村

カオナビでは、半期に一度の全社総会で優秀社員の表彰があり、ベストマネージャー賞は今年から新設された賞だと聞きました。私はスマートレビューのリリースをコンスタントに実現した点と、VOC・VOEの利活用提案などが評価いただけたようです。若干オールドルーキー感もありますが…(笑)、評価いただいて率直にうれしいです。

入社して1年間を振り返っていかがでしたか?

中村

あっという間でしたね。入社したての頃は仕事環境や人間関係を築きながら、スマートレビューの多様な機能を把握したり事業理解を深めたりするのは大変でしたが、入社時から希望していた「スマートレビュー」のプロジェクトにアサインしてもらい、結果を出すことができたのは大きな成果かなと思います。社内の風通しも良くて、みなさん相手の意見に耳を傾け尊重して組織風土もすごくいいなと思います。

中村さんの今後の目標は?

中村

PdMとしての目標とマネージャーとしての目標があって、PdMとしては、2023年はもう少し視座を上げてスマートレビューの機能改善に対応していきたいと思います。従来のように、顧客の声をもとに改善するマーケットインだけでなく、プロダクトアウトの提案もしていきたいですね。マネージャーとしては、メンバーの良さを伸ばし、個々人が自立した組織にしていけたらと考えています。

最後に、どういう方がカオナビやPdMにマッチするとお考えですか?

中村

PdMに限りませんが、人の意見をしっかり聞ける「傾聴力」を持った人ではないでしょうか。スキルや経験業種問わず、複数のメンバーとのプロジェクトをマネジメントした経験がある人にとっては、裁量を持って働ける環境だと思います。

それから当社のバリューにもあるようにオーナーシップを持っている人でしょうか。自分が与えられたミッションに対して主体性を持ち、熱量高く推進していける人と一緒に働きたいですね。

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