オウンドメディアを一気にCVR10倍へ!成果創出の秘訣は「楽しむ仕掛けづくり」──新卒初年度に独立、8年の事業主期間を経たマーケティングマネージャー

Interviewee

渡辺 佳彦

2021.3.26

「せっかくなら、楽しく仕事がしたい」──でも、そう簡単にはいかないのが現実というもの。

しかし、チームのマネジメントに「ゲーム的な楽しさ」を積極的に取り入れ組織を引っ張り、成果をあげるマーケティングマネージャーが、カオナビにいます。

今回のインタビュイーは、学生時代から自身のメディア運営を通じて毎月10万円を稼ぎ、新卒で入社した会社は1年で退職、その後8年間の自営業期間を経てカオナビに入社したという、異色の経歴を持つ渡辺佳彦。現在はWebマーケティング部門のマネージャーとして、人事マネジメントに携わる方向けのオウンドメディア『カオナビ人事用語集』の運営に携わり、ジョインから一気にCVR10倍を実現。力強くカオナビのリード獲得に貢献しています。

渡辺の「楽しみながら事業とチームを急成長させる秘訣」について、じっくり話を聞いてきました。

IT起業家に憧れて。新卒一年目で退職し、ウェブ事業者として独立

渡辺さんは現在、主にWebマーケティングを手がけていますが、この領域にはいつ頃から携わるようになったのですか?

渡辺

学生時代からです。2002年頃はホリエモン(堀江貴文)さんなどが連日メディアで取り上げられる、ITブームの時代。私もITや起業に漠然と興味を持つようになりました。

ただ、いきなり起業するのはハードルが高かったので、まずは大学3年生のとき、アフィリエイトサイトを立ち上げてみることにしたんです。すると、大学の授業に出なくなるぐらいにのめり込むようになってしまって(笑)。最高で月に10万円ほど稼ぐようになりました。

マーケティング本部
Webマーケティンググループ
渡辺 佳彦
新卒で経営コンサルティング会社に入社。1年未満で退社したのち、7~8年間、個人事業として海外輸入品のECショップ・個人メディアの運営を行う。その後、コンテンツマーケティング支援、自社メディア運営を行う企業を経て、2016年12月にカオナビに入社。

当時は今ほど、インターネットでお金を稼ぐノウハウも広まっていなかった時期ですよね。どうやって売り上げを伸ばしていったのでしょう?

渡辺

「とにかく質より量だ」と考えて、有名なアフィリエイトサイトを研究しながらコンテンツを作りまくっていました。試行錯誤の毎日でしたね。何かしら試して、成果が出たら、再現できるようにまた新しいコンテンツを作る。その繰り返しでした。

コツコツ改善を繰り返しながら、独自のスキルを身につけていったのですね。大学卒業後は、そのスキルを活かしてIT企業へ?

渡辺

それが、IT企業には行かなかったんですよ。その時は「起業したい」という気持ちがめちゃくちゃ強くて、“起業家輩出機関”として有名だったコンサルティング会社に入社しました。

そこでは期待していた通り、基本的な仕事の仕方や考え方をごく短期間の間に身につけることができました。ただ、あまりの激務に体がついていかず、一年も経たずに辞めてしまいました。そして、個人事業主として、自分で立ち上げたウェブメディアを運営することで生計を立てるようになったんです。

転職ではなく、いきなり独立されたのですね。新卒一年目で独立することに対して、不安はありませんでしたか?

渡辺

あまりなかったですね。もともと「起業したい」という強い気持ちがありましたし、大学時代に身につけたWebマーケティングのスキルもあったので、「自分でやればいいか」ぐらいに考えていました。インターネット業界そのものも、これからまだまだ伸びていくと思っていましたしね。

また、よく海外のサイトを見ていたこともあり、海外メーカーの商品に日本と現地とで大きな価格差があることにも気づいていました。そうして「海外から輸入したものを売ればいいのでは?」と考え、ECショップの事業もはじめました。一時は全然売れなくて、バイトで食いつないでいた時期もあったのですが、徐々に軌道に乗ってきて、そこから7〜8年は自営業で生活していましたね。

カオナビの第一印象は“よくわからない”──「なぜ売れるのか不明」だからこそ、入社を決めた

ただ、いまカオナビにいらっしゃるということは、また会社員に戻ろうと思ったタイミングがあったのですよね?

渡辺

はい、転機となったのはリーマンショックです。リーマンショック後の急激な円高・円安の上下に影響されるビジネスに限界を感じてしまって。そのとき30歳くらいで、「年齢的にも別事業にチャレンジするなら、いまかな」と思ったこともあり、いくつかの会社を受けてみました。

最終的には、コンテンツマーケティング支援や社内外のメディア運営事業を手がける、小さな会社に決めました。当時はオウンドメディアブームが興りはじめたくらいの時期で、コンテンツマーケティングの領域は今後さらに盛り上がっていきそうな予感があり、本格的に勉強してみたいと思ったんです。

8年ぶりの会社員生活は、いかがでしたか?

渡辺

企業で働く“勘”を取り戻しながら、コンテンツマーケティングに関する知識も深めることができて、とても充実した毎日でした。

ただ、働いて3年ほど経つと「コンテンツマーケティングのスキルを活かして自社のサービスに貢献したいな」という気持ちが湧いててきて。再び、いろいろと会社を見るようになったんです。その中で直感的にビビビっと来たといいますか、妙に心に引っかかったのがカオナビでした。一言で言えば、よくわからない(笑)。

「よくわからない」というと?(笑)

渡辺

プロダクトについてですね。当時の自分はHRの領域についてまったく馴染みがなかったので、何のためのプロダクトなのかイマイチわからなかったし、世の中に「タレントマネジメント」という需要があることにも驚きました。でも、いちマーケターとして「よくわからないけれど、それでも売れている」ということが気になって仕方なかったんです。

「わからないものが売れている」ということが気になったんですね。

渡辺

はい。あとは経営層ですね。代表取締役社長CEOの柳橋仁機と、取締役副社長 COOの佐藤寛之は、コンテンツマーケティングやオウンドメディアへの理解がありました。コンテンツマーケティングを提供する側にいたのでよくわかるのですが、経営陣にその価値を理解してもらえずにはじめられない、もしくははじめても(効果が出るまで)続けられない企業は少なくありません。

その点、カオナビでは経営層が理解してくれているので、安心して結果を出すことに注力できそうだなと感じました。佐藤が面接で「コンテンツマーケティングを今後どうしていきたいか」というビジョンを語ってくれたときはかなりグッときましたね。


思い切った取捨選択で、CVR10倍に──アドレナリンが止まらなくなった瞬間

カオナビに入社されてからは、どのようなお仕事を手がけてきたのでしょうか?

渡辺

主にサイト周りの担当となりました。カオナビのサービスを紹介しているサービスサイトと、オウンドメディアである『カオナビ人事用語集』ですね。

オウンドメディアを運営している目的は「いかに多くの人にページを見てもらい、リードにつなげるか」です。そのために毎年ゴールを見直し、徐々に高い目標を設定していきました。最初はアクセス数増加に取り組み、アクセス数が一定ラインを超えたらコンバージョンレート(以下、CVR)の改善を目指す。さらに次はホットリード数、アポ数……という具合に、KPIそのものを調整していきました。

その際に大切にしていたのが、「どの要素が数字の改善に寄与しているのか」の見極めです。最もホットリードやアポの獲得に効果があり、なおかつコンバージョンを取りやすい部分を見極め、そこでコンバージョンを取ることに注力することで、約3倍までアポ数が伸びたこともありましたね。

真に事業成長に寄与するポイントを見極めながら、数字を伸ばしていったのですね。

渡辺

いろいろな施策を試す中で、アクセス数やCVRといった数字が伸びていくプロセスが好きなんです。ゲーマーというほどではないんですけど、ファミコン世代だからか基本的にゲームは好きで、試行錯誤しながらレベルアップしていくのが楽しくて。施策をやればやるほど、そしてその施策の質が高ければ高いほど数字が伸びていくマーケティングも、それと似たような部分があるんじゃないかと捉えています。

数字が伸びるとアドレナリンがドバドバ出て、また新しい施策を試してみたくなる。そうやって、自然とPDCAが回っている感覚があります。

今までで、最もアドレナリンがたくさん出た瞬間はいつでしょうか?

渡辺

思い切って、サービスサイトの改善を必要最低限にとどめ、オウンドメディアのコンテンツを充実させることにリソースを集中させてみたときですね。

それまでは、サービスサイトでもいろいろな改修を試していたのですが、数字の伸びに限界があり、かつ短期間で2倍、3倍と増やしていくことは無理そうだな、と感じたんです。「これはオウンドメディアに力を入れた方が伸び代が大きいんじゃないか?」と思い、サービスサイトの改善に費やしていたリソースをオウンドメディアのコンテンツ拡充に振ってみたところ、シミュレーションの約10倍にまでCVRが跳ね上がりました。


チーム運営にも「楽しさ」を取り入れ、高速でPDCAサイクルを回す

CVR10倍はすごいですね。マネージャーとしては、どんな時にアドレナリンが出てきますか?

渡辺

チームのみんなで仮説を検証することで、一人でやる場合の何倍もの速さでPDCAが回っていくことを実感したときです。マネジメントにおいても、「楽しさ」はとても大切にしていまして。チームに分かれてそれぞれ同じカテゴリーのページの改善案を練り、実際にどのチームが作ったページがボタンのクリック率がよかったかを競う、という企画を何度か実践しました。対決となるとメンバーに「負けたくない」という心理が出てきて、かなりこだわってページを作ってくれたので、とても良い取り組みになったのではないかと思います。

各チームのページリリース後には、どのような仮説を持ってその改善を行ったのかの「事前発表会」と、その仮説が実際の結果をふまえてどうなったのかを検証する「反省会」を行ってもらいました。ディレクターにはディレクターの、デザイナーにはデザイナーの視点があるので、みんなで取り組むことでいろんなものの見方が取り入れられたのは面白かったですね。

そうした組織運営のやり方は、事前にしっかり計算して実行しているのですか?

渡辺

いえ、そこまで綿密に計画を立てていたわけではないです。ただ、先にメンバーと2人で同じような対決をやってみて、それがけっこう上手くいったので、「チーム単位でやってもうまくいくだろうな」という直感はありました。

この取り組みに限らず、ページの改善で何かの施策をやるときも「まずは小さく始める」ことは大切にしています。「これは効果が出るんじゃないか?」と思った施策をいきなり大々的に予算をとってやるのではなく、まずは自分のできる範囲からちょっとずつはじめる。仮説が検証できたら、今度はもう少し規模を拡大してやってみる。そういう風に、一つひとつの施策を進めています。

良くも悪くも、私はそこまで自分に自信を持っていないんですよね。「いきなりこんな大きな提案をして、もし失敗したらどうしよう」と考えてしまうような、ちょっと臆病な部分があるんです。それなら小さくはじめて、結果を集めてからやった方が確実なので、自分に自信を持たせるためにそうしているのだと思います。


ホワイトペーパーでリード数が激増……と思いきや痛感した、部門間連携の難しさ

逆に、業務において難しさを感じるのはどのような場面ですか?

渡辺

他部門との連携を上手く取ることですね。カオナビではSalesforceが提唱している「THE MODEL」に則って、ビジネス部門をマーケティング、インサイドセールス、営業、カスタマーサクセスの4部門に分け、それぞれ個別に目標を設定しています。たとえば私がいるマーケティングの部門なら、リード数の最大化が目標です。

ある時、当時のトレンドだったテーマについてコンテンツを作ったら、かなりのリード獲得につながるのではないかと考え、ホワイトペーパーを作って公開したことがありました。結果、目論見通り、資料ダウンロード数は大幅に伸び、大量のリードを獲得できました。

しかし、いざインサイドセールスが電話をかけてみても、全然アポにつながらない。なぜならその資料をダウンロードしたお客さんたちは、ホワイトペーパーのテーマに興味があっただけで、カオナビのサービスに興味があったわけではないからです。「リード数の最大化」という自分たちの目標をただ追っているだけではダメで、他の部門の目標も加味して施策を設計をし、部門一丸となって目的を達成しなくてはならないと気づかされましたね。

なるほど。他部門との連携を強化するために、なにか改善を図られたのでしょうか?

渡辺

もちろんです。まず、何か施策を実施する前には、インサイドセールスのメンバーにも予め相談し、効果を最大化するにはどうしたらいいかを一緒に考えるようになりました。

また、サービスサイトとオウンドメディアについては、リード数ではなくアポ数でKPIを追うようになりました。CVRはある程度のところまで上がっていましたし、結局インサイドセールスがアポを取れないと意味がない。リードの「量」だけではなく「質」を意識するためには、必要な連携やKPI設定だと考えています。


裁量権が大きいと、“筋力”がつきやすい

これまでご自身で、いろいろな試行錯誤をされてきたのですね。

渡辺

成果さえ出せれば細かいやり方については問われず、何から何まで任せてもらえるカルチャ―には助けられていますね。これまでオウンドメディアでさまざまな施策を打ってきましたが、上長に意思決定してもらうことはほとんどなく、基本的には自分で決めさせてもらっています。

細かくマネジメントされると、誰だってストレスが溜まると思います。裁量権がある状態とは、筋肉でたとえれば「可動域が広い」ということ。可動域が広ければ広いほど筋トレが捗り、力がつきやすいなと感じています。

今後はどのような取り組みに注力していきたいですか?

渡辺

やはり自分のアクションが事業に直結する数字に反映されていくことは楽しいので、引き続き「受注数を増やす」「売り上げをあげる」といった成果創出にはこだわっていきたいです。今はマネージャーという立場ですが、もし部長や本部長になった方が数字を伸ばせると自分が思えるのであれば、そういったポジションを目指す可能性もあるかもしれません。

また、『カオナビ人事用語集』については、労務行政研究所が出している『人事担当者のための赤本+青本』のように、「新しく人事になった人も、これさえ見ておけば大丈夫」と思ってもらえるような、価値のあるメディアにしていきたいと考えています。

最後に、カオナビへの転職を検討している読者の方に向けてメッセージをどうぞ!

渡辺

まず、裁量権という観点で、カオナビはかなり自由に働ける職場なのではないかと思います。もちろん、自由にやればその分、失敗することも増えると思います。でも、それもまた成長に繋がると思うので、自分でいろいろチャレンジしてみたい方にとっては良い環境だと思います。

また、マーケティング部門に関して言えば、マーケティングに関するノウハウをでテキストに細かくまとめ、習熟度を確認するテストも作っています。そうすることでメンバーそれぞれのスキルや知見をできるだけ汎用化して共有し、組織単位での成長につなげていきたいです。「マーケティングの基礎から学びたい」という方にとっても、「マーケティングのスキルをより高めていきたい」という方にとっても、成長できる環境をこれからもつくりつづけたいですね。

カオナビの採用情報を知りたい方は

編集後記

もっと数字を伸ばすためには?もっとチームのメンバーに力を発揮してもらうためには?……ありとあらゆる分野で結果を出し続けてきた渡辺の行動の核には、「楽しさ」を追究するスタンスがありました。

「好きこそものの上手なれ」ということわざがありますが、学生時代からウェブマーケティングに没頭し、カオナビでも「数字が伸びるのが楽しくて仕方ない」とPDCAをまわし、結果を出し続ける渡辺は、まさにこの言葉を体現しているように思いました。

仕事を選択するにあたってはさまざまな観点がありますが、「自分が楽しいと思えることをやるのが、結果的に成果にも結びつきやすい」、そんなことを実感させてくれる取材でした。日々の仕事や今いるチームの中にもっと「楽しさ」を創出することはできないか、いま一度考え直してみてもいいかもしれません。

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