“気遣いのエンジニア”の意外な過去!? 「自分さえ頑張れば」からの転身

Interviewee

別城 慎治

2021.3.23

キャリアパスに正解はありません。登る山を自ら決めて、最短ルートで登頂を目指す“山登り型”のキャリアもあれば、流れに身を任せるがままに進んでいく“川下り型”のキャリアもあります。

2019年11月にカオナビに入社し、フロントエンドエンジニアとして活躍する別城慎治は、より成長できる環境を目指して直感的にキャリアを重ねていくうちにカオナビへとたどり着きました。

現在は、新機能開発に携わる一方、チームづくりにおいても「彼がいるとチームが良い状態になる」と高い評価を受けている別城。チームのムードメーカーとなりながら、エンジニアとしても成果を出し続ける彼の素顔に迫ります。

チームの雰囲気を良くするため、チャットの文末や電話のトーンにまで気を配る

現在はフロントエンドエンジニアとして『カオナビ』の機能設計や開発に携わる一方、チームのリーダー的な役割も務められているのですよね。マネジメントには開発とはまったく別のスキルが求められると思いますが、実際にその役割を担ってみて、手応えはいかがですか?

別城

これまで人の上に立ってチームを取りまとめたことがほとんどなかったので、とても成長できる環境にいるなと感じています。今までは目の前のタスクばかりに気を取られていたのですが、最近はゴールから逆算して仕事を進めていけるようになってきました。“管理される側”という受け身の姿勢から一転して、より能動的にプロジェクトに関わるようになりましたね。

プロダクト本部
サービス開発部
Strategyグループ
別城 慎治
株式会社神戸デジタルラボに新卒入社。主にモバイルアプリの開発に従事。2019年11月にカオナビにフロントエンドエンジニアとして入社。入社後はカオナビTOPページリニューアルプロジェクトに参画。その後KDS(カオナビデザインシステム)構築のプロジェクトを経て現在新規機能であるワークフローのフロントエンド開発に携わっている。

他のメンバーの方からは「別城さんが入るとチームが良い状態になる」という声もあがっています。チームで仕事を進めるうえで、どのようなことに気をつけていますか?

別城

最も気を配っているのは、やはりコミュニケーションの部分ですね。チームメイトに何かを聞く時は、その内容が「相談」「確認」「お願い」のどれなのかをわかるようにして、次のアクションを取ってもらいやすくするように意識したり、新しく入って来られた方に向けたオンボーディングのやり方を考えて工夫したりしています。

コロナ禍になってオンラインのやりとりが増えてからは、やりとりの文末に「!」をつけたり、電話の時に明るいトーンで話したり、といった細かいポイントにも気をつけています。オンラインでは、対面でのコミュニケーションに比べて誤解が生まれやすいと思うので、相手がどう受け取るかを常に想像しながら、少しでも良い雰囲気を作れるように心がけています。

「!」一つにも気を配っているのですね。たしかに、細かいけれど重要な要素ですし、頭ではわかっていても、きちんと実践できている人は多くないでしょう。

別城

特に初めて会う人やあまり関わったことのない人が相手だと、「この人ちょっと話しづらいな……」と思われてしまう可能性もある。そうなると、必要な相談や報告をしてもらえなかったり、遅れたりすることにもつながります。そうした無駄なリードタイムを減らすためにも、威圧的に思われないようなコミュニケーションを取ること大切にしています。

プロジェクトで体得した「スクラム開発」が、マネジメントに活きている

チームのメンバーには、どのような方々がいるのでしょう?

別城

基本的には自分よりスキルも経験もあるベテランのエンジニアばかりです。ただ、そのことによる仕事の難しさややりづらさを感じたことはありません。自分は上から指示を出すというより、彼らがスムーズに働けるよう調整をする役回りなので、メンバーとは、常にフラットな立場でディスカッションをしています。

ベテランのメンバーもいる中で、若手である別城さんがリーダーに抜擢されたのですね。どのような経緯で今のポジションにアサインされるに至ったのでしょうか?

別城

今のチームに入る以前は、ライブラリをjQueryからReactに置き換えていくにあたって『カオナビ』のトップページをリニューアルするプロジェクト、そして『カオナビ』上で使用するボタンなどのデザインパーツを集めたライブラリを作る、「カオナビデザインシステム」というプロジェクトに参加していました。その中で、カオナビで採用している「スクラム開発」を進める時のコツを掴めた感覚があります。

スクラム開発では、基本的にスプリント単位で開発を進めていきます。スプリントを始める段階で、一つのタスクを達成するために必要なタスクをメンバーでディスカッションしながらさらに細分化します。そうすることで、「このタスクを順番にやっていけばスムーズにプロジェクトが進む」と、チーム全体が共通認識を持ち走り出せる状態まで持っていくノウハウを学びましたね。

その後、プロジェクトに一旦区切りがついたタイミングで、今のチームにジョインしました。ここでも、前のプロジェクトで培ったスクラム開発の手法を活かしてタスクを管理しているうちに、現在の役割を任せてもらうようになったんです。

「スクラム開発」は、カオナビを特徴づけるキーワードでもありますよね。

別城

おっしゃる通りです。全てのプロジェクトではありませんが、スクラムを取り入れているプロジェクトが多いです。以前勤めていた会社では、大枠を決めることはあっても、ここまで細かくタスクを切り分けることはありませんでした。大まかなタスクに切り分けてチケット管理している会社はあると思うのですが、ここまで徹底的にタスクを細分化するスクラム開発の体制を構築している会社は少ないのではないでしょうか。

誰よりも点を取りたくて、サッカーに打ち込んだ少年時代

チームで物事を進める際のプロセスを大切にしていることが、よく伝わってきました。そうした人格がどのように形作られていったかもお伺いしたいのですが、小さい頃はどんな子どもでしたか?

別城

小学校から高校まで、サッカー漬けの毎日でした。当時の自分は、勉強もスポーツもあまり得意でなかったのですが、サッカーだけは違いました。練習した分の成長を実感できたことが、モチベーションにつながっていたのではないかと思います。

中学生のときは、クラブチームで活動していました。練習は火木、土日は遠征といったスタイル、さらに練習がない日も、体力をつけるために陸上部で長距離に取り組んでいたので、月に1日休みがあるかないか、といった生活でしたね。クラブチームでは、試合ごとに得点の多いメンバーがランキング形式で張り出されるシステムがあって。「どうすればもっと点が取れるか」を考えながらプレイするようになりましたね。

現在のチームマネジメントにも、サッカーでのチームプレイ経験が活かされているのでしょうか?

別城

それが、当時は今ほどチームプレイが大事と思っていなかったんですよ(笑)。フォワードだったので、「自分が点を入れれば勝てるでしょ」と思っていました。サッカーでチームワークを意識するようになったのは、社会人になって、プレイする側から観る側に回ってからですね。今では試合を観る時も、個人の技術よりチームの戦術の方に興味を持つようになりましたし、監督のインタビューや文献を読むようになって、以前より俯瞰的な視点でサッカーを捉えるようになりました。

サッカー少年だった別城さんですが、いまはカオナビというITベンチャーのエンジニアになっています。エンジニアを目指すに至ったきっかけは何だったんですか?

別城

実は子どもの頃から、サッカーだけでなく、ゲームやPCに触るのが好きだったんですよね。がっつりプログラミングをやっていたわけではないのですが、自分で調べながら、簡単なゲームを作っていました。それが楽しくて、「将来ゲームプログラマーやエンジニアになれたら良いな」と思うようになり、大学は情報系の学部に進みました。

大学ではVRゲームの制作に取り組んだり、Androidのゲームアプリを作ったり、何かを作ることをメインに学んでいました。と言えば聞こえがいいですが、旅行やサークルもしっかり満喫していましたけどね(笑)。

大学卒業後は、どのような進路を?

別城

新卒では、神戸の独立系SIerに就職しました。就職活動では、いろいろな企業を見てまわりましたが、なかなかピンとくる会社がなかったんですよね。

そんな中、地元の神戸にもIT企業があることを知って興味本位で覗いてみると、アプリや基幹システムに加え、VRやAIなど新しい技術にも取り組んでいて、面白そうだなと感じたんです。そのまま「行ってみたいな」と思って面接を受け、他の会社は一社も受けずに、入社を決めました。

生まれ育った故郷を離れ、カオナビへ転職した理由

神戸のSIerでは、どのような経験を積まれたのでしょうか?

別城

主にモバイルアプリを開発していました。ほぼ未経験の状態から新卒入社して、貪欲に仕事に取り組んだ結果、ものすごく成長できた実感がありました。とはいえ、入社して1年半で年収が倍になるわけもなく…(笑)。

次第にもっと広く自分の市場価値を知ってみたいと思うようになり、軽い気持ちで転職サイトに登録したところ、自分が思っていた以上に多くの企業に興味を持っていただき、その中の一つがカオナビでした。

それでカオナビに転職されたと。数多のオファーがある中で、カオナビのどんな点に惹かれたのでしょう?

別城

まず、自分の技術的な志向とマッチしていたこと。前職でもVue.jsをメインにフロントエンドの開発をしていました。また「Flutter」という開発ツールに興味があって、実際に案件でも使っていました。他方、カオナビではReactのフロントエンドエンジニアを募集していました。自分もReactに興味があったのと、アプリの開発を「Flutter」で行っていると知り、「自分のこれまでの経験が活かせる!」と思ったんです。

また、仕組み化や生産性にこだわり、メリハリをつけて働くことを是とする企業文化に共感したことも大きかったです。エンジニアは長時間労働になりやすい職種だと思うのですが、長時間働くことで成果を出すのが当たり前な環境は避けたいと思っていました。

あと、やはり技術に関する最新の情報が集まるのは東京だと感じていたので、どこかのタイミングで上京したかったというのも理由の一つです。

カオナビの採用面接の手応えは、いかがでしたか?

別城

正直、面接が終わったときには「ヤバい、これ落ちたな」と思っていました(笑)。自分のスキルや経験について深く聞かれたときに、知識が及ばず答えられなかった質問もけっこうあって。これからの伸び代に期待してもらえたのではないかと思っています。

入社から一年あまり、全く毛色の違う複数プロジェクトで学び続ける

実際にカオナビで働くようになり、どのような印象を抱きましたか?

別城

冒頭でも申し上げた『カオナビ』のトップページをリニューアルするプロジェクト、「カオナビデザインシステム」というプロジェクト、そして現在取り組んでいる新機能の「ワークフロー」開発と、これまで3つのプロジェクトに携わらせていただきました。それぞれ全く毛色が違うので、常に新しい学びがあってすごく成長できていると感じます。ベテランのエンジニアの方に細かくフィードバックしてもらる機会が多いことに加え、開発支援系の取組みや制度があることも非常にありがたいですね。

開発支援 スナバ・イドバタ

転職活動をはじめるきっかけとなった、評価についてはいかがでしょうか?

別城

自分のパフォーマンスやバリューの体現度がきちんと半期ごとに評価され、報酬にも反映されていく制度やカルチャーがあるので、とても満足しています。また、日頃からミッションの遂行状態を俯瞰して捉え、自己評価をロジカルに上司に説明できるように意識もしていますね。当たり前ですが、ちゃんと納得のいく評価をしてもらえることは嬉しいんだな、と実感しています。

今後は、どのようなことに力を入れていきたいですか?

別城

せっかくチームマネジメントの経験も積ませていただいているのですが、まずはしっかり技術を伸ばしていきたいと考えています。組織のリーダーとして成長していく方向性も視野には入れているものの、フロントエンドエンジニアとしてはまだまだ未熟だと思っていますから。

将来的には、フロントエンドに加え、+αの何かを身に着けたいです。たとえば、もっとUI / UXの知見をためてデザイナー視点を持ったフロントエンドエンジニアを目指したり、バックエンドに踏み込んだり。ただその前段階として、直近ではもっとフロントエンドを極めたいと考えています。

最後に、どのようなエンジニアがカオナビに向いていると思うか、教えていただけますか?

別城

カオナビでは、限られた時間の中で成果を出すことが求められます。課されている目標やミッションのレベルはかなり高いと思うので、実はとてもハードではありますね。自分が求められていることを理解して、最短でやり切る力を持っている人には合うと思いますよ。

また、カオナビのバリューに「仕組み化」があるのですが、業務をどんどん仕組み化して、工数の無駄を省くことや、汎用化させて横展開することが得意な人にも合っていると思います。新しいメンバーの方と出会えるのを、心よりお待ちしています!

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