人事同士で、タレマネの課題解決ができる場作りを──「カオナビキャンパス」立ち上げ秘話

Interviewee

最上 あす美

柏崎 直人

玉木 穣太

2022.2.28

タレントマネジメントの活きた事例を学び合える場として、2022年1月20日にオープンした「カオナビキャンパス」。立ち上げ背景や本施策が目指す先について、最上さん、柏崎さん、玉木さんにお話を聞きました。

カオナビキャンパスとは

まずは「カオナビキャンパス」の概要について教えてください。

最上

「キャンパス」はあくまでも世界観なんです。だから、カオナビキャンパスができたからといって、抜本的にサポート・サクセスのあり方が変化したわけではありません。1番大きいのは、「カオナビ」を1つの世界観で網羅的に学べるようになったこと。1つの世界観の中で、オンライン・オフラインそれぞれでタレントマネジメントについて深く学べる状態を作れたかなと思っています。

カスタマーエンゲージメント本部
本部長
最上 あす美
飲食店の広告媒体を扱う営業、不動産業を主とする持株会社の人事を経て、2015年8月に初のインサイドセールスとしてカオナビに入社し、仕組みの構築・運用を担当。2017年にインサイドセールスグループ マネージャー、2019年にカスタマーサクセスグループマネージャーを経て、2020年度よりカスタマーエンゲージメント本部長に就任。

学べる仕組みについても教えてください。

最上

タレントマネジメントに取り組む企業には大きく分けて9つの課題があります。その9つの課題それぞれに応じてどうカオナビを活用すべきか、授業を受けているみたいにステップを踏んで理解できるようになりました。また、「こういう風になりたい」「こういうことが実現したい」とやりたいことを直感的に選んでいけば、そこに辿り着くことができるような作りにもなっています。あと、「大学(キャンパス)」として大事なのはユーザー同士で学び合えることだと思っているので、カオナビキャンパスでも、ユーザー同士のコミュニティを活性化に力を入れています。ユーザー限定のクローズドのサイトも同時公開をしているので、オンライン上で大学を体感することができます。

ピースがはまり「キャンパス」の構想が出来上がった

続いて、カオナビキャンパスの立ち上げ背景についてお聞きしたいと思います。どういった問題意識からこうした構想が始まったのでしょうか。

最上

構想を始めた当時、カスタマーサクセス(以下CS)が提供しているコンテンツの全体像が分かりにくいのが1番の問題でした。お客様に対して各論ベースでの施策はいっぱいあったんですけど、「CSって、結局何を、どこまでやっているんですか」と言われたときに、一言で「これを見てください」と言えるものが何もなかったんですね。そもそも「カオナビ」自体がSaaS界隈で「CSが強い」と思われていない状況で、その認知を変えたいという目的もありました。

柏崎

いろいろ提供してきたというお話がありましたが、それらのCSが提供しているコンテンツに一貫性がなかったんですよね。例えるならば常に単品メニューを提供しているイメージだった。これらをセットにしてストーリーづけたのがカオナビキャンパスです。

カスタマーエンゲージメント本部
カスタマーマーケティンググループ
マネージャー
柏崎 直人
人材業界にて採用支援、組織活性化支援等に従事。2018年2月にカオナビに入社し、新規営業、既存営業の後にカスタマーサクセスに携わる。組織がスケールするための各種施策や仕組み構築を実施。

玉木

カオナビ自体がノウハウを蓄積してきていて、そのアセットがすでに強みなんですよね。そこを活かしたかった。ただ、当初にしていた話はかなりカジュアルでふわっとしていました。しっかりした戦略があったというより、ムーブメントが起きたっていう感じです。バラバラに考えていたピースがかちっとはまり、「これだね」となりました。

外部顧問CDO
玉木 穣太
W+K Tokyo, AKQA Tokyoなど外資系広告エージェンシーにて海外クライアントを担当。その後AI系ベンチャーCogentLabsにてバリューアップを支援。2019年株式会社XCOGを設立、カオナビ社業務支援を経て、2020年7月CDO兼ブランドデザイン部長、2022年2月より外部顧問CDO就任。

最上

当社が事業を開始した10年前とは市場の状況が大きく変化し、新しいサービスの参入はもちろん、競合にあたる各社の圧倒的な機能開発のスピード力もあり、正直プロダクトだけの優位性があまりなくなってきたなという実感もありました。じゃあ、どこで差別化をしていくのか。もちろんプロダクト自体を磨いて売っていくことも必要なんですが、やっぱりカオナビの強みは積み上げてきた顧客事例とノウハウだよね、と。あとはそれをアピールし伝えていく手段を考える中で「カオナビキャンパス」に落ち着いていった、という流れです。

そうしたカオナビキャンパスの構想が具体化されていったのはいつごろのことですか。

玉木

2020年12月ですね。「カオナビ」が提供する強みを端的に表現したいよね、という話になって、「システムとノウハウの両輪が揃っていること」という大きな方針ができあがりました。そして、ノウハウを伝えるための企画としてカオナビキャンパス構想が加速しました。課題の認識やゴールイメージをメンバー間で共有できていたので、進めていくのはかなりスムーズだった気がします。新しく作り上げていくにあたり、もっとこじれるかな、大変なんだろうな(笑)、と思ってたんですけど、割とトントン拍子で進められましたね。ただ、強いて言うなら、コンセプトが「大学」に行き着くまでには紆余曲折がありました。

最上

そうでしたね。最初は「革新者、フロンティア」みたいなイメージを考えていたんですよ。「正解がないタレントマネジメントに挑むユーザーの皆さま」みたいな。

玉木

新選組みたいな(笑)。

最上

そうそう(笑)。でも、それはちょっと挑戦的すぎるよねという話になって軌道修正することになったんです。もっとフラットに、ユーザーがいつでも訪れやすい雰囲気にしたいと話をしていた中で、「キャンパス」や「パーク」「コミュニティ」というイメージに行き着きました。

ユーザー同士の交流でタレントマネジメントのPDCAを回す

カオナビキャンパスの活用イメージについてお聞かせください。

最上

冒頭でご紹介したように、カオナビキャンパスはあくまでも世界観であり、何か抜本的にサポート・サクセスのあり方が変わるわけではありません。ただ、今までは決められた時間・場所で留まっていたユーザー同志の交流がオンライン上でいつでも気軽に出来るようになります。そういったコミュニティの場が活性化できればいいなと思っています。

柏崎

本オープンは2022年1月下旬でしたが、その前にプレオープンをしておりまして、一部のお客様にテストを兼ねてご参加いただきました。参加者は100名程度で、すでにアクティブに活用してくださっているお客様もいるので、ここからさらに輪を広げていきたいなという感じですね。

ユーザー層はどういった人になるのでしょうか。

柏崎

多くは人事業務に関わる方ですね。タレントマネジメントは正解がないとも言われますが、それはお客様によって正解が違うということだと理解しています。だからこそ、各社のナレッジをシェアすることで最適解に至りやすい。「カオナビを使ってみてどうだったのか」についてもシェアすることでPDCAを回せると思います。

具体的なユースケースをご紹介いただけますか。

柏崎

初期ステップとしては、診断コンテンツを受けていただきたいですね。自社の人材情報を一元化するためのやり方を解説しています。情報を一元化することで他の課題も見えてくるのかなと。2つ目は、オンライン上のトークルームの活用です。わからないことをGoogleで検索したら答えがヒットするのと同じく、迷っているポイントをトークルームで検索することで、すでに他社が質問した結果が見られます。転ばぬ先の杖となるようなナレッジを、ある程度は網羅できているようにしたいですね。

最上

カオナビを使っていただくユーザーさんは、「そもそもプロダクトの使い方がわからない」といった方々と「使い方はある程度わかったけれど、活用方法がわからない」といった方々の2パターンに分かれます。前者に対しては、授業やコンテンツの充実といった方法でカバーしていく方針です。後者の解決方法は、CSに頼っていただくか自走していただくかのいずれかになり、自走的に課題解決したいユーザーにとって必要なコンテンツがすぐ見つかる、というのが、カオナビキャンパスオンラインのユースケースの1つかなと思います。もちろん、コミュニティで他社ユーザーに悩みを投げかけていただき、課題を解決していただくこともできますしね。

玉木

タレントマネジメントにおける情報共有のエコシステムみたいなものが、カオナビキャンパスによって作られたんじゃないかなと思うんですね。人事の人たちがつまづいているときに、手を差し伸べるのがカオナビではなく他社だというのはすごくいい世界だなと。それが業界や会社自体のレベルアップになるとも思っています。

柏崎

ユーザーと我々という一直線じゃなく、ユーザーAとユーザーB、そして我々というトライアングルのような関係性ができつつある点が、カオナビキャンパスの1つのメリットかなと思いますね。

すでに「カオナビ」をヘビーユースしているユーザーにとっては、どういったメリットがあるのでしょう。

最上

これからの話ではあるんですが、カオナビキャンパスオンラインは、データ分析も活用しながら、必要なコンテンツを定期追加していこうと思っているんです。ユーザーの課題解決のために今足りないコンテンツは何か、ブラッシュアップすべきところはどこか 。そういったことを知れるデータが得られることが、オンラインでカオナビキャンパスを運用するメリットです。また直接運営事務局の当社社員と気軽に意見交換できる場もあるので、お使いいただく中で気付いたことやリクエストはバンバンフィードバックしていただきたいですね。ユーザーの皆さんと一緒に、カオナビキャンパスを日々アップデートしていきたいです。

コミュニティ運営の懸念事項である「本当に活性化するのか?」といった課題については、どのように捉えていらっしゃるのでしょうか。

最上

正直、使われない可能性があるかも、といったことは常に頭にありますね(笑)。日々、そのリスクと戦っている状態です。ただ、コミュニティはSNSと同じ概念で、アカウントを持っている人のすべてが発信にアクティブではないと考えています。「見る専門」の人もいるだろうと。ですから、「投稿しているユーザーが多い=盛り上がっている」わけではないとある意味で割り切り、参加者みんなが投稿していることよりも、一部のヘビーユーザーが積極的に情報をシェアしてくれている状態を目指していますね。

柏崎

その他のアクティブ化施策でいうと、週1でZoomを活用し、「雑談会」という「ユーザーさん同士の交流会の場」を作るようにしています。我々にとってもコミュニティ運営は初めての取り組みなので、実験しながらやっている感じです。

カオナビキャンパスがあるから契約したい。キャンパス自体が「高い価値を持つ」世界観へ

カオナビキャンパスが本格始動した今、どのようなビジョンを持っていますか。

玉木

「カオナビ」を使っているユーザー同志が隣にいて、教え合ったりできるといいですよね。これは実は、自社のCSの業務負荷を減らすことにも繋がっていて、カオナビにとってもユーザーにとってもWin-Winだと思っています。

最上

あえて私たちを介さなくても、ユーザー同士で解決できる世界ができていく。すると、1社ごとにCSが1人がアサインされる、という常識が変わるのかなと思っています。私たちが本当に介在すべき部分に集中できる状態を作ることが、今後カオナビキャンパスで目指すべきゴールです。

また、将来的にはカオナビキャンパスが「カオナビ」というプロダクトと同等か、それ以上に価値づけられるような世界を目指したいですね。プロダクトについては、いずれ競合との機能差分が徐々に小さくなっていくのは自明です。そんなフェーズに入ったとき「カオナビキャンパスがあるから『カオナビ』を使いたい」と思ってもらえる状態を作れているのが理想かなと。

玉木

僕の理想も本当に同じで、営業しなくても「カオナビ」のファンが増えていく。そうした世界を目指せたらいいなと思っています。つまり、(カオナビキャンパスの)コミュニティの価値が高まり、その存在が口コミで広がる。そして、そこでの交流を目的に「カオナビ」を導入していく企業が増えていく。カオナビ視点で簡単に言うと「営業・顧客紹介の自動化」です。そんな世界ができるといいなと思っています。

イメージとしてはApple サポートコミュニティです。あそこには世界中のユーザー同士がコミュニティで繋がり、疑問や問題を皆で解決している様子が見られるじゃないですか。それによりユーザー同士の絆が生まれたり、教えることで理解が深まったり「この製品のユーザーである」という存在意義を感じられたりする。これは無意識のファン化じゃないかなと。恣意的にファン化させているのではなく、「ファンになってしまう構造」が、プロダクトデザインに内包されているのがすごく大事ですよね。

最上

人事の人たちが「カオナビを使いたいからカオナビを使う」というより、「カオナビキャンパスのコミュニティに入れば人事としての自分のステータスや市場価値が上がっていく」と認知していただけるようになれば嬉しいですよね。セールスにおけるSalesforceのように、カオナビキャンパスを活用していること、そのコミュニティに属していること自体が、人事としての市場価値を高めるものになる。それが終着点かもしれません。

柏崎

たしかにそのとおりですね。そういう意味では、少しでも多くの人事の方々にカオナビキャンパスに触れていただき、価値が伝わるよう、「オープンキャンパス」のような仕組みも提供したいと思っています。

最後に、これから皆さんが描いている世界観を実現するために、どんな方にジョインしてもらいたいでしょうか?

最上

カオナビキャンパスなら、もっとあんなことができるんじゃないか?と、新しいことを考えるのが好きな方なら楽しめるのではないでしょうか。これからは、オンラインだけではなくオフラインにも展開していこうとしています。イベント運営とか、ノベルティ制作とか、具体的に記憶に残る施策は、オフラインのほうがやっぱり創りやすいですよね。カオナビはカルチャーとしても、新しい施策にトライしてみることに寛容なベンチャーだと思うので、そうした環境でクリエイティブに働きたい、といった方をお待ちしています。

カオナビの採用情報を知りたい方は

編集後記

タレントマネジメントシステムの第一人者として進化し続けたきた「カオナビ」。ですが、そのポジションに甘んじることなく、CSチームが、部門横断で全社をあげて「どうしたらプロダクトをずっと使い続けてもらえるか?」について日々真剣に考え続けている、という想いと気迫を感じたインタビューでした。

カオナビキャンパスのこれからに、社員一同ワクワクが止まりません!

Share

Tags