“気遣い、準備する”リーダーへ。細部に拘るディレクターの成長ストーリー

Interviewee

伊藤 大揮

2021.11.30

ディレクターは、プロジェクトを円滑に進める上で、チーム全体の指揮を取る重要な職種。さまざまな職種の人たちと会話をするコミュニケーション能力の高さや、イレギュラーな事態に直面しても慌てずに臨機応変に対応できるタフな精神力は、ディレクター職に期待されるスキルであり、その職としての腕の見せ所です。

2018年4月に中途入社し、現在プロダクト本部 サービス開発部 kaizenグループでディレクターを務める伊藤大揮。しかし「もともとリーダーシップを発揮するタイプではなかった」という彼が、ディレクターとして、一体どのように自信と力を身につけていったのか。「カオナビ」のプロダクトアウトの根幹を支えるディレクター職の、その裏側を伺いました。

カオナビ入社の決め手は、「最先端のプロダクトづくり」と「視野の拡張」

入社前はどのような志向性のもと、どのようなお仕事をしてきましたか?

伊藤

以前から自分が携わったモノが成果として目に見える仕事に興味があり、システムやアプリケーションに限らず「プロダクトづくりに関わる仕事がしたい」と思っていました。

もともと美術や映像が好きで、大学時代は映像学を専攻していたんです。振り返ってみると「世の中に形として残るモノを作りたい」という思いはその当時から今に繋がっているのかもしれませんね。

新卒で入社したワークスアプリケーションズ社でも、モノづくりに関わる業務に多く携わっていました。

プロダクト本部サービス開発部
kaizenグループ
伊藤大揮
新卒で入社した会社で大手企業向け勤怠管理システムの保守・開発を約3年間担当。その後2018年4月にカオナビに入社し、カスタマーサポート部門を経て現在はディレクター職。新規機能の開発プロジェクトや中規模の機能改善案件に携わる。

転職を考え始めた経緯と、カオナビに決めた理由をお聞きしてもよろしいですか?

伊藤

カオナビに転職しようと思ったきっかけは大きく2つあります。1つは、より最先端のプロダクトに携わりたかったからです。SaaSの形態で、スマホでも触れるような、今の時代に合ったプロダクト開発に取り組んでみたかったんです。

そしてもう1つは、「環境を変えて自分の視野を広げたい」と思うようになっていったことですね。転職活動をする中で、カオナビのプロダクトづくりに対するこだわりや組織の価値観に魅力を感じて、2018年4月に入社しました。

サポート体制とスクラム開発の仕組みが、未経験を育てる

カオナビへ入社後、特に印象に残っているプロジェクトはありますか?

伊藤

初めてメインのディレクションを任された、機能開発のプロジェクトが印象的でした。前職では、3年間システム保守を担当していたのでエンジニアとしての知識はゼロではなかったのですが、当社で使われている言語や開発環境が、前職と大きく異なっていたため、技術面でまったく知識がない状態でのスタートというのが、まず難しかったですね。

そんな中でもディレクターとして、「どういった機能を実装するか」という具体的な機能開発の意思決定をしたり、システム保守における最善の対応をエンジニアと共同で決めて進めたりしなければなりません。知識が追いついていない中で、プロジェクトマネジメントをしながら熟練のエンジニアの方たちと対等に会話しなければならないことが、特に苦労した点です。

プロジェクト自体は、先輩ディレクターのサポートもあり勉強しながら進めることができましたが、コミュニケーションが難しかった分、とても印象に残るプロジェクトでした。

そんな苦労もされながら、最近、複数人のエンジニアをディレクションするチームを作ったとお聞きしました。新しい挑戦ではどのような心境だったのでしょうか?

伊藤

もともと「裁量を持って主体的にモノづくりをしたい」「ディレクターとして早く一人前になって会社へ貢献したい」という気持ちを強く持っていました。なので、ようやく貢献できる、という気持ちです。不安も少しありましたが、今はそれを乗り越え、「もっと早くやれなかっただろうか」と思うくらいですね(笑)。

社内からも応援してもらいました。とにかく「チャレンジしやすい企業文化」があるので、自分からどんどん行動できますが、難易度が高すぎるものや会社都合で業務を丸投げされることはありません。マネージャー陣が率先して協力してくれ、それぞれの適正を踏まえ自分の身の丈にあった仕事の調整ができるので、1人で悩みを抱え込む心配はありませんでした。

また社内の組織風土として、相談を受けることも含めて仕事だという風潮があるので、「忙しいから話しかけないで」と言ったり、そういう雰囲気を醸し出したりする人はいません。みなさん親切に協力してくださるのでとてもありがたいです。

実際にチームを作って改めて気付いたディレクターという仕事のやりがいはありますか?

伊藤

チーム内でエンジニアたちが主体的に動いてくれて、しかもその精度が上がっていくので、とても助けられています。チームとしての成長を、継続的に感じられるのは、チームを持つディレクターならではのやりがいですね。

また、カオナビでは「スクラム開発」を導入し、共通したフレームワークを活用しているので、エンジニアと私との間で進め方について認識の齟齬が起こりにくいです。常に「次に何をしなければいけないのか」をお互いに把握できています。もし、ルールも仕組みもないところからチームのディレクションをやろうとすると本当に大変だったと思います。そうではないという点も、チャレンジしやすい要因の一つかもしれませんね。

開発チームへの感謝から、パワーバランスには人一倍気を遣う

メンバーとのコミュニケーションで大切にしていることは何ですか?

伊藤

みなさんそれぞれに対して個別にリスペクトする気持ちを持つことでしょうか。実は、チームで開発する経験が、カオナビに来るまで一度もなかったんです。

前職は個人プレーの会社だったので、システム設計からテストまですべて1人で行っていました。私としてはチームで開発できること自体がありがたく、感動を覚えています。だからこそ、メンバーとのコミュニケーションにはとても気を配っていますね。

ディレクションという立場は、パワーバランスに気を付けなければならないと感じます。メンバーとの関係性が、ともすれば上司と部下のような立ち位置になってしまう。私が命令や指図をするような雰囲気ではなく、同じくらいの力関係になるべき。だから、コミュニケーションは常に気を遣う必要があり、気心知れた仲間だからといって気を抜いてはいけないと感じます。ちょっと極端ですが「私の怠慢で力関係がアンバランスになり、メンバーの苦労に直結する」というくらいに意識するようにしています。

例えば「スケジュール管理」はディレクターが常に気を張るべきで、メンバーから「無理です」と言ってもらいやすい風土にしたいです。

それぞれのメンバーに任せていると、例えば期日までに終わらなかった場合、「何で終わらなかったのか」と責めることになります。そうではなく、スケジュールに関して全責任を私が持つことで、期日までに終わらなければ「どうすればいいか」を私の責任として考えられる。個人ではなく「チームの仕事」というスタンスでいれば、お互いに進捗を共有したり事前に相談しやすい環境がつくれると思います。

チーム内での相談のしやすさも配慮されているのですね。

伊藤

他にも、話し方やメールの書き方を、強制や命令に見えないよう、できるだけお願いベースにしています。そして、メンバーがお昼休みや、休暇を取っているときはなるべく連絡をしない。急いで作業をしていることがわかっていれば、その最中に何回もSlackを送って作業を中断させるようなことはしない、なども考えていますね。

小さくて細かい気遣いですが、メンバーから少しずつでも信頼してもらうには大切なことだと思っています。相手にリスペクトを持ったコミュニケーションを築くよう心がけています。

ディレクターというポジションでチームをまとめる上でどのような対応を日々意識していますか?

伊藤

まずそれぞれの業務においては一人ひとり裁量を持ってのびのびとできるよう、技術的な面に関してはあまり口出しすることはありません。

一方で、ディレクターである私自身が意思決定をする場面が多いので、それに対し「なぜそうするのか」「どういった理由があるのか」と説明ができるようしっかりと準備やリサーチを行うようにしています。社内会議だろうと、想定問答集まで作って臨んでいます。実際には答えることのなかった内容も多いですが、それくらい緻密にやってもやり過ぎということはないと思っています。

というのも、回答の準備をしていないがために、答えに窮してしまうことや、後から矛盾点を指摘されてしまう経験が前職から何度かあり、失敗として強く心に残っているからです。こうしたことを繰り返してしまうと、信用の失墜につながります。でも防げるものが大半ですから、防ぎたいんです。

筋道立てて理由が説明できるように、日頃から思考の流れを手書きメモや自分宛てのSlackメンションで記録して、事前準備における綿密なリサーチの際に活かせるようにしています。そういった一つひとつの対応が、信頼関係に繋がっていくと思っているからです。

リリースしたプロダクトに関して、セールス側から私に要望が届くことがあります。それに対して、すべてを検討した上で要望を叶えられない場合は、事情や状況を丁寧に説明しなければなりません。その説明のために綿密な準備をすることが、重要だと考えています。

もちろん同じディレクターでも、すべて破綻なくアドリブで答えられる方もいます。私はアドリブが苦手なのでその分リサーチや準備に時間をかけますが、普段から思考量が多い方はアドリブでもすぐに答えられるのだと、羨ましい気持ちで見ていますね(笑)。

リーダーシップを養えば、自信が芽生え、人脈が広がる

これから社内でどのような価値を発揮していけるようになりたいとお考えですか?

伊藤

2つあります。1つは、お客様にとって行き届いたサービスを提供できるようリサーチを重ね、もっともっと思考を深めていくこと。「この機能を使ってお客様は何をするのか」「この機能で解決できたあとお客様はどのような行動を取るのか」まで考え抜いてそれを機能に落とし込めるようにしていきたい。

もう1つはチームをマネジメントをする立場として、チームメンバー一人ひとりのモチベーションを高く維持できるよう、さらに工夫していきたいですね。

改めて、カオナビのディレクター職ならではの面白さを教えてください。

伊藤

自分の意思決定の結果、プロダクトとして直接形に残すことができるのですごくやりがいを感じます。人事労務領域は、どの企業にとっても非常に重要なので、猶更強く思いますね。

実はこの立場になるまで、自分がリーダーシップを取って場を回していくことが得意ではありませんでした。しかしディレクターとして場数を踏むことで、自然と自信が生まれて、プライベートにおいても上手く場を仕切ったり人脈が広がりやすくなったりといったプラスの影響が生まれています。自信が持てないという人でも、当社ならチャレンジを通して自分を変えられるかもしれません。

カオナビの採用情報を知りたい方は

編集後記

ディレクターが気を抜くと、メンバーの苦労に直結する──。力強い言葉で自分を律し、常にメンバーのために最適な動き方や伝え方を追求する姿が印象的な伊藤さん。「社内のサポートのおかげ」と話す場面もありましたが、むしろ今では、そうした社内風土を最も体現している人物と言えるかもしれません。

「自信はなかった」と言いますが、それを原動力に、さまざまな工夫を日々凝らして対応する姿に刺激を受けているメンバーも多いかと思います。組織に対するポジティブな影響もきっと大きいでしょう。

Share

Tags