無理してキラキラした人にならなくていい。バックオフィスで気づいた自分の強み

Interviewee

三原 梨沙

2021.4.23

「個性」をテーマに記事をお届けしているviviviですが、「そもそも自分の個性って何だろう?」「自分にはこれといった個性が見つからない」と悩む人も少なくないかもしれません。

2018年に総務として入社し現在は労務として活躍する三原梨沙もまた、自分の個性が何なのかわからず、「もっとキラキラした人にならないと、活躍できないのかな……」と悩んでいた人の1人。

しかしカオナビで働くうちに、それまで「当たり前」と思っていた自分の個性がメンバーの役に立っていることを実感し、「ありのままの自分でいいんだ」と思えるようになったと言います。

そんな彼女が総務や労務といった“他のメンバーをサポートする”仕事に携わる中で、自分なりの個性を見つけていったストーリーについて話を聞きました。

「働き方」と向き合う中で、エンジニアからバックオフィスの世界へ

まずは、現在携わられているお仕事の内容について教えてください。

三原

人事組織の中の労務担当として、給与計算をはじめ社会保険、入退職の手続き、社内規定や規則の整備など、メンバーがスムーズに働くためのサポートを行っています。

入社してからしばらくは、総務として社内の備品や設備の管理を行っていたので、労務の経験はちょうど1年くらいですね。

コーポレート本部
人事総務グループ
三原 梨沙
新卒でソフトウェア会社にシステムエンジニアとして入社。その後、総合建設会社で一般事務を経験したのち、2018年9月にカオナビに総務として入社。機器・備品管理、施設管理、社内行事の企画・運営など幅広い業務に携わり、現在は労務に従事している。

三原さんは大学卒業後、エンジニアからキャリアをスタートされたんですよね。そこから、総務や労務といったバックオフィス系の仕事に従事されるようになったきっかけは何だったのでしょうか?

三原

エンジニアとして顧客のビジネス課題をヒアリングをしながらシステムを作るプロセスはすごく面白かったんですけど、長い目で見たときに、いまから新しい職種にチャレンジしたいと思うようになったのがきっかけです。

当時作っていたのが管理部門の方々が使っているような基幹システムだったので、そういう方たちの仕事の方が自分には合っているのかなと感じ、全く異なる職種にチャレンジしてみようと建設会社の一般事務に転職しました。

そこから、カオナビに転職したんですね。

三原

はい。2社目の会社では、事務として1年くらい働いていたんですけど、やってみるとすごく自分に合っているなと感じて。「ずっとこういう仕事を続けていきたいな」と思ったのと同時に、「自ら業務を構築できるようにステップアップしたい」とも思うようになりました。

「転職をしてみようかな」と思い始めたタイミングで、求人サイトにあった「仕組み化できる人、求めてます」というカオナビの記事を見つけて。「これだ!」と感じ、応募しました。

自分が作った「仕組み」が、誰かのためになっていると気づけることがやりがい

カオナビに入社されてからは、どのようにして「仕組み化」を進めてこられたのでしょうか?

三原

労務の仕事における仕組みづくりには、業務効率化のために「既存の仕組みを改善する」パターンと「新たに仕組みを築く」パターンがあります。

前者の「既存の仕組みを改善する」という場合には、まず自分で一通りの作業をやってみて、これまでの自分の経験則から改善できそうな部分に手を加えていくことが多いです。

「新たに仕組みを築く」という場合は、とにかくまずは自分用にメモを残して、それを最終的にマニュアルとして仕上げることが多いですね。私はそもそもあまり自分を信頼していなくて、後から記憶を頼りに同じ作業をやろうとしても絶対再現できないという自覚があるので(笑)。そんな性格が活きている気がします。

労務のお仕事のどのような部分に、楽しさややりがいを感じますか?

三原

労務の手続きには、答えがあるんです、絶対に。答えがある業務なので、必ずそこに辿りつかなければならないんですけど、そこに至るまでの手段やアプローチは何十通り、何百通りとあって。目的によってアプローチの仕方も変わってくるので、メンバーにとって、会社にとって、自分にとって、一番いいアプローチを探すっていう作業が好きなのかもしれないですね。

あと、総務の時に備品棚というものを作ったことがありました。それまでは備品が乱雑な置かれ方をしていて、総務側で管理するのも大変だし、メンバーが使うのにも使い勝手が悪いのではと思って。

管理がしやすい棚を選び、見やすいようにラベルを貼り、補充しやすいようにルールを作るという単純なことなんですけど、「最近めちゃくちゃ使いやすくなったよね」「私も変えたいなと思ってたんだよね」「これ、誰が作ったんだろうね」と話題にしてもらえて。誰が作ったかではなく、何を作ったか。自分がつくった仕組みで喜んでもらえるのはやっぱり嬉しいんだと感じましたね。

直接「ありがとう」と言ってもらえなくてもいいんですか?

三原

そうですね。「ありがとう」と言われるより、「これ誰がやったんだろう、便利だね」とか「あると助かるね」って間接的に耳に入ってくるほうが、「よし!喜んでもらえてる!」と思いますね。

そもそも、注目されるのがすごく苦手なんですよ(笑)。なので、「これやったの誰だろうね、すごいね」となんとなく耳に入ってくる方が、私を持ち上げるための言葉ではない、裏表のない感想という感じがして、嬉しく感じます。

相手主体で行動することは、結局は自分のためにもなる

「人と向き合う」という観点では、どんなことを意識していますか?

三原

常に「相手を尊重する」姿勢を意識しながら、メンバーに「話しやすい」「問い合わせしやすい」と思ってもらえる存在を目指して仕事しています。

メンバーからの問い合わせを受けた場合は、その人が本当に聞きたいことは何なのかをいかに正確に捉え、それに対してどういった情報を付加して回答すれば相手が仕事を進めやすくなるのかを考えるようにしています。たとえば社内の会議室や備品の場所を聞かれた場合は、単に場所の名前を伝えるだけではなく、そこに至る道順まで説明するよう心掛けています。小さなことですけど、相手の気持ちをくみ取って行動することで、お互いの作業時間は減りますし、ニーズを察してもらえたことで安心感も生まれると思うんです。

まさに、カオナビのバリューの一つである仮説思考ですね! 相手が本当に求めているものは何なのかという背景まで考えて仕事をされるようになったきっかけなどはあったんですか?

三原

最初のきっかけは、小学校の頃でした。教室の中で文房具を失くしたことがあって、探しているときに友達が声をかけてくれたんです。事情を説明すると「大丈夫?」って聞いてくれたんですけど、その子はそのままどこかに行っちゃったんですよ。それが自分の中ではすごくショックで。声はかけてくれたけど、何もしてくれないんだ、みたいな(笑)。

仮に文房具は見つからなくても一緒に探してくれたり、もっと心配してくれていたら、きっと気持ちが満たされていたんだろうなと感じました。

それからは、相手はどういう行動をしてもらえたら一番嬉しいのか、どういう気持ちで寄り添えば気持ちが落ち着くのか、意識するようになりましたね。

あと、大学では心理学を勉強していたので、そこで学んだ「相手の立場に立って考える」という考え方も、今の仕事に活きていると感じます。

自分が想像したことと、実際に相手が求めていたことが違った、なんてこともありますよね。そこの精度はどのようにして高めているのでしょうか?

三原

「ポジティブな意味で人の顔色を伺う」ということですね。表情には意識せずとも感情が出ちゃうことも多いので、オンラインだとしても逃さずに敏感に捉えられるようになれると良いなと思っています。

文字でのやり取りでも、ちょっとした語尾の一つに注目して、「遠回しに言っているけど、たぶんここを強調したいんだろうな」とか「この部分も対応してほしいんだろうな」と、できるだけ想像するようにしています。「こうして欲しい」という思いが強ければ強いほど、そうした些細な表情や言葉遣いにも現れてくると思うので。

日々たくさんの業務がある中で、一人ひとりに丁寧に向き合うのは難しいことだと思います。忙しい中でも「相手を尊重する」姿勢を保てるように意識していることはありますか?

三原

学生時代の恩師から頂いた「人生ってプラスマイナスゼロだよ」という言葉が未だに自分の中に残っています。

たしかに、忙しい時に声をかけられたり、問い合わせをもらったりすることは結構あります。ただ、そこで自分主体じゃなくて相手を主体に行動できたら、きっといつか自分のためにもなる。そんな気持ちが根っこにあるのかなと思います。

仲間と信頼関係が結べればきっと良い関係が続くだろうし、それが波及すれば誰かがちょっと躓いたり悩んだりしても、助け合える組織になれる。それは自分にとってもプラスなことなのではないかと思っています。

人の本質に向き合うカオナビという組織だから見つけられた、自分の個性

そんな三原さんは、カオナビという組織に対してどんな印象を持っていますか?

三原

人の本質を見ようとしてくれる人が多い組織だなと感じます。外見や1つの要素だけで人を判断したり、苦手な部分や得意な部分だけに注目するのではなく、一人ひとりの個性を深く知って育てようとしてくれている人が多いのかなと。

転職の面接の時も、面接を受けているというより「会話をした」という印象が強くて。一方的に企業側がジャッジするのではなく、お互いが対等な立ち位置から考えを話し合えるような面接だったので、「こういう職場で働きたいな」と感じたのを覚えています。

スキルについてももちろん聞かれるんですが、「どういうことをしたいのか?」「なぜそう考えるのか?」という私の価値観の部分をすごく丁寧に掘り下げてもらえたなぁという印象が強いです。

それはこれまで「外見で判断される」「本質を見てもらえない」という経験があったからなのでしょうか?

三原

そうですね。もともとは、今ほどファッションも奇抜じゃなくて、むしろ黒髪にメガネをかけたおとなしい感じの見た目だったんです。するとやはり、漫画やドラマの世界にいるキャラクターを思い浮かべるのか(笑)、「三原さんって真面目で優秀なんでしょ」という印象を持たれることが多くて、とても違和感がありました。自分では、勉強も仕事も特別できるわけではない、普通の人間だと思っていましたから。

一方、今のような見た目になってからは、「本当に会社員なの?」と言われたり、外を歩いていてもちょっと距離を取られるようにもなったりして。私という人間の中身は過去も現在も変わらないのに、外見や肩書きによって、人からの印象はこんなにも変わってしまうんだなと思いました。

目に見える部分に印象が引っ張られるのはわかるんですが、結局外見の印象と自分の本質に絶対的な因果関係はないと思っています。ただ、好んで奇抜な外見を選択している以上は、第一印象は意識していて、自分から相手に歩み寄るように心がけはしていますね。

社内からも「三原さんは見た目と話したときのギャップがある」と言われることも多いそうですが、その背景が少しだけ理解出来た気がしました! 最後に三原さんとしては、これからどんな人にカオナビに入ってきて欲しいと思いますか?

三原

「自分にはあまり個性ってないんじゃないかな」「自分の個性って何だろう」って、自分探しをしている人にこそ、カオナビって意外とフィットしているんじゃないかと思っているんです。

私もカオナビに入るまでは、たとえば創造的なアイデアを出せる人が「会社組織」から求められているのであり、そういう人にならないと会社では活躍できないと勝手に思い込んでいたんですよね。

でも、カオナビで働くうちに「当たり前」と言われるようなことをコツコツやる私の姿勢も、1つの個性だと認めてもらえて、「ありのままの自分でいいんだ」と思えるようになりました。例えば、SNSやメディア上でキラキラしているような人たちだけでは組織は回らなくて、一見地味で目立たない個性を持ったメンバーも活躍することで初めて組織が成り立ち、企業の継続的な成長も実現するんだと思います。

きっと「自分には個性なんてないんじゃないか」「自分には成長企業で活躍できる素養がないんじゃないか」と思っている人は、自分のことを客観的に見ようとしている人でもあると思うんです。

今はまだ自分で自分の個性が見出せなかったとしても、仕事を通して他者が個性を見出してくれることもありますし、「個の力にフォーカスする」というのはカオナビの信念でもありますからね。1人でも多くの働く人が自分の“個性”を活かして活躍できる社会の実現に向けて、私自身もまずはカオナビでメンバーのサポートをしていきたいと思っています。

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