ハイパフォーマーの秘訣は「視野の広さ」と「汲み取り力」──経験職種の多さが広げたキャリア

Interviewee

大森 正江

2021.12.27

フィールドセールス(以下、FS)で社数トップを果たし、MVPに。異動した既存セールスでは、売上、社数ともにずっとトップを走り続けた──そんなカオナビのハイパフォーマーが、今回お話を聞いた大森正江さんです。2021年10月よりカスタマーリレーショングループに異動し、カスタマーサクセスマネジャーとして活躍中。そんな華々しい活躍の背景には、前職から続く職種横断経験があります。

数々の部署で成果を出してきた大森さんだからこそ知る、仕事の秘訣や工夫は何なのでしょうか。仕事や顧客への向き合い方について、大森さんにお話を聞きました。

HRテック業界に目を向けた理由

カオナビにジョインされる前のキャリアについて教えてください。

大森

新卒でマイナビに入社し、キャリアアドバイザー、リクルーティングアドバイザーとして働いていました。元々ヒト・モノ・カネの中ではヒトが特に重要だと考えて人材系の会社に入社しましたが、実際に働いてみてその思いは確信に変わりました。また最初に経験した営業という職種も、自分の活動や頑張りがダイレクトに成果につながるのが楽しいなと感じていたので、性に合っていたと思います。

カスタマーエンゲージメント本部
カスタマーサクセス部
カスタマーリレーショングループ
大森 正江
新卒で総合人材サービス会社に入社。人材紹介の営業職を経て、2018年9月にカオナビに入社。カオナビではインサイドセールス、フィールドセールス、既存セールスを経験し、現在カスタマーリレーショングループにて、カスタマーサクセスマネジャーに。

大森

ただ一方で経験を重ねる中で、人材業界の営業の仕事は非常に属人性が高いな、と感じるようにもなっていったんです。転職希望者のニーズと企業の採用ニーズをマッチングしていくという活動は、どんな大手企業やメガベンチャーであっても中々システマチックにはできておらず、ある意味で「針の穴に糸を通すような仕事」だなと思い。どうにか人材業界で再現性のある成果を生むような事業に携われないか、という思いから、転職を考えるようになりました。

それが正にHRTech業界だ、ということに気づいてからは、そこに絞って転職活動を進めました。従業員個人のスキルだけでなく、組織としての仕組みとプロダクトがあって、それが両輪になっていればものすごい相乗効果を生めるだろうな、と感じていました。

意図せず横にキャリアを広げられた

カオナビ入社後の大森さんのキャリアについて教えてください。

大森

FSとして採用されましたが、まずは研修を兼ねてインサイドセールスで半年間働きました。半年後にFSに異動。100~200名規模の会社の経営層、意思決定者向けのセールスを1年半ほどしていました。その後は既存顧客のアップセル部門に配属され、1年強経った2021年10月からカスタマーサクセス(以下、CS)に異動してきたという流れです。

前職で経験してきたのは人材紹介だったので、何かを買ってもらう営業は初めて。今思うと、あまりにもポンコツでしたね(笑)。インサイドセールスとFSでの最初の半年間は正直苦戦しました。

各部署への異動は大森さんの希望だったのでしょうか。

大森

いえ、FSから既存セールスへの異動は会社の判断です。ただ、CSへの異動は私の選択ですね。組織の再編に伴い、FSとCSから後者を選びました。SaaSやサブスクリプションの概念の浸透に伴い、CSは今後世の中で求められる職種だろうという考えからです。また、既存顧客の対応から得られる経験やスキルも多いだろうとも思っていましたね。カオナビのCSはまだまだ未整備のため大変なことも多いでしょうが、その分やれることの土壌が大きいだろうというのも、CSを選んだ理由です。

成果に繋がる仕事の秘訣

先ほど「苦労した」とのお話がありましたが、大森さんはどのような職種、役割でもハイパフォーマーだとして社内でも高く評価されています。事実、直近の半期では全指標を達成されていますよね。ご自身では、高い成果を出せる理由についてどう考えているのでしょうか。

大森

何ででしょう……。業務量をこなす力が強いのかなとは思うのですが。

役割ごとに成果を出せるコツがあったりするのでしょうか。

大森

いや、特にこれといったコツがあるわけではないですね。私は個人的に何か特定のものが秀でているといったこともないですから。強いて言うなら、コミュニケーションでしょうか。どんな役割であっても、結局のところはコミュニケーションが成果を上げるカギを握っていると思うんですよね。

詳しく教えてください。

大森

お客様とのコミュニケーションで言うと、私は顧客折衝をする上で、お客様の言わんとしていることをキャッチアップする能力は人より秀でているのかもしれません。前職では、求職者が承諾するのか、はたまたどこかに引っかかりを覚えているのかといったところを察知する必要がありました。その経験から、言語化されていない相手の想いを捉えるアンテナが他の人より鋭敏なのかもしれません。

大森

あとは、さまざまな部署を経験したことで、組織とサービスをいろいろな角度から見てこられたため、「カオナビ」というプロダクトや、それを支えるSaaS型の組織を、誰よりもわかっているのも強みかなと。インサイドセールス経由で獲得したお客様に対し、FSがどのように売り、今どこにボールが来ているのかといった全体感を把握できているので。

お客様の意図をくみ取るのが得意で、自社プロダクトや組織の全体感がわかるのが強みだということですね。お客様とコミュニケーションを取る際には、何か工夫をされているのでしょうか。

大森

「私と話したことで小さなことでも確実に何か変化を起こす」ことを意識していますね。お客様の課題に対して活用提案や他社事例をご案内するのがCSの仕事ですが、”タレントマネジメント”を推進するにはお客様内の色んな部署を巻き込む施策も多く、検討・実行まで時間を要するご提案になることもしばしばです。中期的なご提案はもちろん大事ですが、今目の前にいる方(カオナビ管理者)に対して、何か1つその場で改善に繋がることを意識しています。画面共有してもらって、10分くらいの短時間でできる改善策をその場で一緒に実現させる。例えば、「テキストボックス」で作っているパーツを、プルダウンに変えることだけで、グラフが自動生成できますよ!」とか、「既にデータとして持っている”免許の有効期限”のパーツを検索条件に設定しましょう!そうすると有効期限切れの対象者のみ、すぐ検索できるようになりますね!」とか、そんなレベルです。

大きな提案もしつつ、今できる小さな改善も提案することで、カオナビファンを増やしていけるよう意識しています。

社内でのコミュニケーションはいかがですか?

大森

もちろん大事ですね。例えば、私は既存セールスで得た情報やお客様からのフィードバックをFSチームに共有するといったコミュニケーションを大切にしています。エンジニアにフィードバックを共有するときには、改善要望だけではなく喜びの声も伝えるようにしていますね。

「カオナビ」を利用しているお客様の声に最も近いところにいるのが私たちCSメンバーだと思っています。生の意見の中にはお客様側の事情の側面が強いものもありますが、プロダクトに反映しないといけないものも当然ある。そこをきちんと届けるところに、ある種の使命感も覚えています。

情報共有以外に、何か工夫されていることはありますか?

大森

エンジニアやFSチームのメンバーにお願いし、営業現場に同席してもらうこともあります。SaaS事業は組織ごとの役割が明確化しているため、状況を見て自分たちのチームで担わない方がいいことを見分けることも、組織として活動する上で必要だと思っています。

仕組み化された会社組織と余白のあるサービスが魅力

大森さんから見て、カオナビはどんなカルチャーの会社ですか?

大森

入社したときに1番感じたのは、オトナな会社だなということですね。今でもオトナっぽい雰囲気ですが、私が入社した4年前はよりそんな感じで(笑)。前職では若い社員同士で和気あいあいと働いていたのですが、入社当時のカオナビには20代前半~中盤は2〜3名ほどで、あとは20代後半、30代が多かった分、オトナな雰囲気、別の言い方をすると「ドライな雰囲気」になるのかもしれません。また、カオナビが「ザ・モデル型」の会社であることもある種のドライさに関係しているのかもしれません。

どういう意味でしょうか。

大森

会社としてのカオナビは仕組み化されていて、何か問題が起きたら、個人ではなく組織で解決できる仕組みが整っているんです。そして、ここが個人的にすごく面白く魅力だなと感じているのが、サービスの「カオナビ」には自分次第で活用用途を広げられる余白があることなんです。「カオナビ」が対応できる課題の大きさに対し、お客様の課題はさらに大きく、その分余白がたくさんあるサービスだと捉えています。

大森

プロダクトは一つのものであるはずなのに、「カオナビ」はお客様の課題に対していろいろな形に変化させられる。非常におもしろいプロダクトで、顧客折衝がおもしろいんですよね。大変な面も当然ありますが、お客様と話す中で勉強になることがたくさんあります。そうして得た知見や気づきを基に、CSメンバーはアウトプットをするわけですが、その行動がプロダクトやサービスの変化に繋がることを実感できるのがカオナビという組織の特徴です。

カオナビのCSの雰囲気はどのような感じなのでしょうか。

大森

今のフェーズはまだまだカオスですね(笑)。余白が大きいため、期待値調整などCSが介在する価値が大きい。今はまだ、パンドラの箱を開いて時間が少し経ったくらいなので、まだまだカオスな状態だと感じます。

カオスなフェーズのカオナビCSにフィットする人は、どのような人だと思われますか?

大森

下手でもいいからアウトプットできる人です。感じたことや意見を遠慮せずに共有、提案できる人がワークすると思いますし、楽しく働けるのではないかと。目標は解約率の減少ですが、何をやれば減らせる、という正解があるわけではないため、目標達成だけがゴールになると毎日辛いはず。

ですから、KPIだけを追うのではなく、日々の業務の中で「お客様にこう言ったらこう返してもらえた」「これはコンテンツで解決できる課題なのでは」といった細々とした気づきを得るのが好きだったり、カオナビの仕組みに共感できたりする人なら、何でもできて楽しい会社だと思います。逆に、言われたことを淡々とやり、自分で課題意識を持てない人には、今のCSはフィットしないかもしれません。

最後に、大森さん自身の今後の展望についてお聞かせください。

大森

前職では早い人は25、6歳でマネジメントにステップアップしていったのですが、私はそれが嫌で、もっと社会人として学びたいと思っていました。カオナビで意図せず横にキャリアを広げられたことは、私の志向にも合っていて良かったなと。

「もっと現場でスキルを磨きたい」と考えている20〜30代の方々に、「カオナビならそれができるよ!」と伝えてあげたいですね。

今は、自身が経験してきたことを、他のメンバーに還元できるように、仕組作りに興味があります。

とは言え自身もまだ足りない点があるので、もっと現場でお客様のお声を拾いつつ、変化に対応できるようなスキルを身につけたいです。

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