そんなことまでやっちゃうの!?──独自のセンスで全社課題を解決する、“クリエイター系”総務の仕事哲学

Interviewee

齋藤 秀平

2021.7.16

「総務」と聞いたとき、あなたはどんな印象を受けるでしょうか?「縁の下の力持ち」「ルーティン作業が多そう」「なんだか地味でつまらなそう」……もしかしたら、そんなイメージをお持ちの方も多いかもしれません。

しかし、プライベートではモデルなどのパフォーマーとして活動し、カオナビで総務として活躍中の齋藤秀平は、そんな「総務」のイメージを思いっきり覆してくれるメンバーの1人。SNSでの活動で培った独自のセンスを武器に、カオナビに新しい風を吹かせてくれています。

「総務の仕事って、実は社会の課題にものすごく直結しているんですよ」──そう語る齋藤は、総務の仕事に対する考え方も少しユニーク。“社会と個人の幸福を追求する”彼の仕事哲学について、インタビューにて伺いました。

今後のビジョンを描くのに不可欠だった、自分らしく居られる職場

まずは、カオナビに入社するまでのキャリアについて、教えてください。

齋藤

大学を卒業して以来、ずっと総務やコーポレートの仕事を続けています。日系企業を2社経験した後、外資系の企業で2年間ほど働きまして、カオナビは4社目ですね。

具体的な仕事の内容としては、役員秘書のキャリアが長く、それ以外のところだと株主総会のファシリテーション、官公庁向けの手続きや規定作成、BCP(災害時の事業継続計画)など。また、独学で英語とフランス語を勉強していたこともあり、翻訳業務にも携わっていました。

最初からコーポレートの仕事に興味を持つ人は珍しいような気もしますが、この職種に携わろうと思ったきっかけは、何だったのでしょうか?

齋藤

1社目の就活の時に、ある上場企業から総務職でオファーを頂いて。「新卒でいきなり総務職」というのはあまり聞いたことがなかったので、「これはチャンスかもしれない」と思ったのがきっかけです。

総務の仕事の「会社を支える仕組みをつくる」という部分にすごく興味を惹かれましたし、「何が起きるわからない」というドキドキ感もありました。また、自分のことを「いろんなことを手広く器用にやるのが得意だな」と思ったので、「向いているかもしれない」感じたのもあります。

1社目の会社は、既に齋藤さんの適性を見抜いていたのかもしれませんね!そこからどのような価値観のもと、転職してこられたのでしょうか?

齋藤

最初の2社は典型的な日本企業だったのですが、年功序列や性別によってそれぞれの役割が決まっているようなカルチャーに違和感を覚え、かなり煮詰まってしまった時期があって。

モヤモヤが解消されメンタルが安定している時でないと、「自分は何がやりたいのか」が見えてこないし、前にも進めないと思ったので、一旦ガラッと環境を変えようと思い、美容業界の外資系の会社に転職しました。

転職してみると、やっぱり日系の企業とは全然違って。たとえば髪を茶髪にしたときも、普通の日本企業だと「なんで茶髪にしたの?」って言われると思うんですけど、転職先の上司には「This is the fashion!」と言ってもらえて、「これはいいな」と思いました。リベラルな空気感の中で自分のメンタルも安定してきたし、ヒューマンスキルもすごく上がったように思います。

ただ、この会社では役員秘書の仕事がメインで「もう少し仕事の幅を広げてみたい」と思ったのと、もともと次のキャリアにつなげるためのステップとして位置付けていたということもあり、2年間ほど働いて、カオナビへの転職を決意しました。

カオナビに入社するにあたって、決め手となったものは何ですか?

齋藤

まず、カオナビの製品自体はもともと知っていて、「仕組みも新しいし、キャッチーだな」というポジティブなイメージを持っていました。また、一人ひとりに「仕事をやりきる」エンパワーメントを求められる部分に、職場としての魅力を感じました。

そこから入社の決め手となったのは、やはりリベラルな雰囲気であったり、「風通しがいい」というカルチャーの部分ですね。面接ではすごくリラックスして喋ることができましたし、会話の中で「この上司となら、今後のキャリアをどうしていくか、ビジョンを描くことができそうだな」と感じて、入社に至りました。

総務とは、社会の課題を会社の立場から解決していく仕事

カオナビに入社されてからは、どんなお仕事に携わられているのですか?

齋藤

オフィスの環境改善であるとか、現在だとコロナ対策。加えて、災害対策や危機管理(BCP)に関することもやっています。今年はオフィスで避難訓練ができませんでしたし、在宅勤務中に自宅で被災するような可能性も出てきたため、災害時に備えて防災に関する知識を身につけ、意識を高めてもらうための動画を制作しました。

また、環境や社会に対する企業としての取り組み(ESG)を考えるのも私のミッションでして、オフィスの備品をより環境に配慮した製品に切り替える、いわゆる「グリーン調達」を行いました。

やっぱり会社として地球や社会全体に対する意識がないと、会社を好きになってもらえない。特に今の10代・20代は、僕たちが思っている以上に環境に対する課題意識が強かったりするので、まずはメンバーに環境に対する意識を持ってもらうきっかけとして、こうした取り組みを行っています。

この取り組みで最終的に目指しているのは、自分勝手な尺度で「暑いから冷房をつける」のではなく、カオナビのメンバー全員が環境や社会に対する倫理観を持って行動できるようにすることです。

「総務の仕事って、ルーティンワークが多そう」というイメージもありましたが、いろんな新しいことにも取り組まれているんですね。

齋藤

総務の仕事って、実は社会の課題にものすごく直結しているんですよ。たとえば、「環境をよくしよう」「差別をなくそう」「健康を大事にしよう」といった内容ですね。

ただ、これらの課題はすごく抽象的で、「やらなきゃいけないのはわかるけど、具体的にはどうやるの?」という部分を、会社という視点で落とし込んでいく必要がある。カオナビでは、そのためのアイデアを考え、形にする作業をやっているようなイメージですね。

なるほど。そう考えると、業務の幅が一気に広がる感じがありますね。どんな企画を実行するか決めるにあたって、意識していることはありますか?

齋藤

「アイデアを吟味する」ということは意識しています。たとえば10個のアイデアがあるとしたら、そのうち実際に実行するのは1つくらいの割合で。アイデアは常にたくさん出しつつ、じっくりと検討するようにています。

アイデアを絞り込むときの判断基準は、一言で言えば「求められているかどうか」。自分が「やりたい」「ほしい」と思っても、周りの人が「ほしくない」ものだったらやっても意味ないし、逆に一部の人から批判的な声が上がっても、社会的に求められていることであれば、会社としてやる必要があると思うので。

新しいことをやるときは、いろいろと意見があがることもありますが、シンプルに「求められているかどうか」という軸で考えることで、「個人的意見や批判は単なるノイズ。本質的にはあまり関係ないこと」と、自信を持って企画を進められるようになりました。

カオナビのバリューの1つである「シンプル」の体現ですね。そういった考え方は、どのようにして身につけられたものなのでしょうか?

齋藤

ずっと英語を勉強してきて、外資系企業で働いた経験が大きいと思います。英語は必ず結論ファーストで、メールの構成や企画書も非常にシンプル。まるで物語を読んでいるかのような気分になる日本の企画書とは、全く違います。

そもそもの言語の構造がシンプルなのと、実際に仕事の中でもシンプルにわかりやすく表現することが求められる中で、シンプルに考えるスキルが自然と鍛えられていったのだと思います。

相手の気持ちを考えながら、自分の「面白い」を表現する

齋藤さんがつくった防災動画は、社内のメンバーからもすごく好評だったと伺っています。こちらの企画は、どのようにして生まれたのでしょうか?

齋藤

「もともとTikTokやYoutubeといったSNSが大好き」というのもあるのですが、まず、防災や健康に関することって、当たり前のことを書いて紙で配っても誰も読んでくれないと思いまして。

じゃあみんなに少しでも興味を持ってもらうためには、どんなものがいいかと考えたとき、やっぱり動画がいいかなと思いました。特に、普段は外から見えづらいコーポレートの人間が体を張って動画をつくったら、面白いと思ってもらえるんじゃないかと。

ただ、求められていないものをつくってしまうと、当然批判的に受け取られることもあると思うので、ただ面白いものをつくるのではなく、「目的意識をきちんと持つ」「画面越しの相手の気持ちを考える」といったことを意識して、コンテンツをつくるようにしています。

たとえば今回の防災動画なら、まず「自分の命は自分で守る」という前提があり、「会社は命を守る手助けはするけれども、最終的には自分で自分の身を守れるよう知識を身につけてほしい」というテーマに沿って制作しました。

そして、実際に災害が起きたとき、「そういえば、齋藤さんがオレンジ色の防災バッグを持って何か言っていたな」ということだけでも思い出してもらえるように、インパクトのあるビジュアルに落とし込みました。それだけで、命を守ることにつながると思うので。

「画面越しの相手の気持ちを考える」という部分は、「仮説思考」にも通じる感じがありますね。

齋藤

そうですね。「仮説思考」というと大げさかもしれないですけれど、普段から相手の立場や気持ちを想像して、コミュニケーションを取ってます。

英語のことわざに、「Put yourself in someone’s shoes.(相手の靴に入った気持ちで考える」という言葉があるんですが、靴のサイズがみんな違うように、人によって立場や考え方も全然違うので、常に相手のことを想像しながら、アプローチを考えるようにしています。

このスキルが身についた背景としては、役員秘書時代の経験が大きいと思います。やはり秘書の仕事では、「相手を見る」というインサイトが非常に重要で、インサイトを得た上で、さらに先回りしてアクションを起こすことが求められました。

また、幼少期からの経験も少し関係しているように思っていて。小さい頃から、自分の中性的な容姿について周囲からからかわれたり、異質だと思われることも多かったので、周囲との軋轢を生まないために相手を注意深く観察し、「この人は味方になってくれるのか、それとも敵になるかもしれないのか」を見極めるスキルが、自然と磨かれてきたのではないかと思います。

もちろん、カオナビではそのような心配は不要なんですけれどね。見かけや身体的なあらゆるジェンダーのジャッジが無く、心理的な安心感をもって働けています。

個人や社会のハピネスが、仕事の能率化にもつながる

他に、ご自身が取り組まれた企画の中で「これはイケていたな」と思うものがあれば、教えてください!

齋藤

小さなことですが、去年の12月にクリスマス会を企画しました。コロナ禍であまり大掛かりなことはできなかったのですが、オフィスをオーナメントで飾り付けしたり、パワーポイントでメッセージカードを制作したりしました。

企画のコンセプトになったのは「クリスマスはみんなの幸せを願う機会である」ということ。そのためメッセージカードでは、「今は希望を見出しにくい時代だけど、カオナビは社員とその家族や友人など全ての人の幸せを願っています。またお互いの感謝の気持ちを伝える最高の機会です」というフレーズを打ち出してみたところ、みなさんにけっこうポジティブに受け止めてもらえて。広報の方にも、TwitterやFacebookに投稿する際の素材として使っていただけました。

会社の中のことだけでなく、社員の家族や社会全体など、より広い視野を持って企画されていることが伝わってきます。

齋藤

そうですね。カオナビは「個の力にフォーカスしマネジメントを革新する」というミッションを掲げていますけど、「個」って究極的には人生そのものだと思うんですよ。

そして人生には、さまざまなライフイベントやパートナー・家族・友人の存在がある。そこがハッピーじゃない状態で仕事を進めるのはつらいし、逆にハッピーに仕事をすることで、社会や個人の幸福にもつながっていく可能性もあると思います。

そういう意味で総務は、ただ仕事を能率化するだけではなくて、社会や個人の幸せを考えていくことが求められているのだと思います。

すごく素敵な考え方ですね。そんな齋藤さんから見て、カオナビはどんな組織ですか?

齋藤

やっぱり「リベラル」というか、相手の意見を尊重できる人がすごく多いなと感じます。ディスカッションの中で意見が食い違うことはあるんですけど、1つの考え方として受け入れられる人が多いですね。

1つの要因としては、1on1の文化があるのではないかと思います。「人の話を聞く」って、意外に訓練が必要なことなので、1on1を通じて、そうした対話のリテラシーが磨かれているのかなと。

最後に、これから齋藤さんがカオナビで取り組みたいと思っていることについて教えてください。

齋藤

まず、今はコロナ禍という誰も経験したことのない時代がやってきているので、その中で健康や心理的安全性に配慮した発信をしていきたいと思っています。

それから、「グリーン調達」のところでお話しした通り、カオナビのメンバーに社会の課題を身近に感じてほしいというのは大きくて。社会の課題とカオナビのバリューの接点を明らかにしていくことで、カオナビの会社としての透明性や社会貢献性を世の中に認知してもらい、安心感を感じてもらえるような会社にしていけたらいいですね。

あとは、たとえば「コーヒーの豆を変えました」みたいな小さなトピックでも、社内に効果的に発信していくことによって、メンバーの会社に対する帰属意識を高めていきたい。そのためのアイデアを、いっぱい考えていきたいと思っています。

カオナビの採用情報を知りたい方は

編集後記

どちらかというと「みんなが仕事をしやすくする」「会社としてのコンプライアンスを守る」という方向に意識が向いている総務も多い中、従業員の家族や人生、社会全体の幸せを願いながら仕事をしている総務って、とても素敵だなと感じました。

齋藤がそんな広い視野を持ってユニークな企画を生み出せるのは、インフルエンサーとして活動する中で得られた知見や課題意識を、うまく業務につなげられているからなのでしょう。

プライベートでは新しくポールダンスにも挑戦し、自らのパフォーマンスにさらに磨きをかけていくという齋藤。さらなる表現力を身につけた彼から生み出される次の企画には、自然と私たちもわくわくしています。

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