事業成長と、現場メンバーのキャリア。両得を狙う組織づくり──新任エンジニアリングマネージャー2人に聞く

Interviewee

佐野 元気

藤田 泰生

2022.3.30

「カオナビ」プロダクトの技術的な運用や管理を推進するEM(エンジニアリングマネージャー)。

その名の通り、エンジニアリングを中心にプロジェクトで発生する技術的な判断をはじめ、業務改善の取り組み、開発メンバーの育成、メンターとしての相談役など様々な役割を担っています。

まさにエンジニアにとって頼れるEMですが、実際どんな人たちが活躍しているのでしょうか。

今回は、自身もエンジニアとして開発を行いながら、2021年12月にEMの活動をスタートした佐野氏と藤田氏に、エンジニアの組織づくりに対する思いや今後のビジョンについて伺ってみました。

「思ったより早かった」カオナビ特有のスピード感でエンジニアリングマネージャーへ

2021年の12月にお二方とも同時にエンジニアリングマネージャー(以下、EM)になられたとのことですが、今このタイミングでEMになると思っていましたか?

佐野

率直にお答えすると、入社2年目でEMになるとは思っていませんでした。というのも、入社時点ではスキルや経験というよりもポテンシャルで採用されたので、このスピード感でここまで来られるとは思っていなかったですね。新しいことにチャレンジできるこの環境に感謝しています。

プロダクト本部サービス開発部
Kaizenグループ
エンジニアリングマネージャー
佐野 元気
不動産会社向けのクラウドシステムを提供する会社でソフトウェアエンジニアとしてキャリアをスタート。サーバーサイドからフロントエンドまで担当し、売買仲介会社向け顧客管理機能(CRM)やLINE APIを使ったLINE連携機能を開発。2020年1月に株式会社カオナビへ入社し、サーバーサイドの新機能開発やパフォーマンス改善に従事。現在は分析機能のサーバーサイド・フロントエンドの開発をしながら、エンジニアリングマネージャーとしても業務を行う。

どのような経緯でEMになられたのですか?

佐野

弊社では半期ごとに目標を立てるのですが、次のステップを考えるタイミングで、「コードは書いていきたいけれど、スペシャリストとして技術を突き詰めていくよりも、マネジメントにも絡めるジェネラリストになっていきたい」と思い始めました。

ただ、当社では組織マネージャーの役割が、どちらかというとプロダクトマネジメント寄りで、職種としてはディレクターに近いんです。開発にも携わりながらエンジニア個々人のマネジメントやメンタリングも行いたかった私は、その懸念を上司に相談したんです。

すると、「だったらEMという選択肢があるよ」と勧められたんです。ディレクションというよりもむしろ、エンジニアリングに関するさまざまな仕組みをマネジメントするEMという役職は、まさに私が志向していたもの。その提案を受けるや否や、すぐに希望しました。

藤田さんは昨年の6月に入社をされて半年ほどでEMになられたんですね。

藤田

そうですね。入社半年でEMを任せてもらえたことについては、「とてもスピード感があるな」という印象です。私は前々職のSIerでプロジェクトリーダー、前職のベンチャー企業でプロダクトオーナーの経験があったため、EMという立場に就くことも考えてはいました。ただ、入社時点では、エンジニア、EM、ディレクターも含め、当社でどうキャリアを形成していくかについては決めていませんでした。

そうこうしている間に半年が経ち、具体的に立ち位置を考えるようになりました。マネージャーも含めて検討し話を進める中で、現時点ではEMという立場で活動するほうが会社に貢献できることが多いだろうと思い、引き受けることにしました。

プロダクト本部サービス開発部
Strategyグループ
エンジニアリングマネージャー
藤田 泰生
SIerのSEとしてキャリアをスタート。主に金融・公共系の案件に携わる。また、R&D部門で新規事業の立ち上げなどを経験。その後、スマートフォンアプリの開発を行うベンチャー企業に転職し、クライアントからサーバ、インフラまで含めた開発の流れを学び、プロダクトオーナーとしてプロジェクトに関わる。2021年6月にカオナビに入社。現在はサーバーサイドエンジニアを務めながら、エンジニアリングマネージャーとして業務を行う。

EMになられた経緯を教えてください。

藤田

チームや組織が抱えている課題を解決するために活動してきたことが、結果的にEMというロールにつながったのだと思います。

例えば数か月前に、あるチームでフロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアが別々に開発をしていたんですが、「お互いの作業を手伝うことができるようにする」という目標を掲げてチームを再構成し、開発を行いました。この試みがうまくいけば、どちらかに作業の比重が偏ったときにサポートすることも可能になり、状況によってはチームの生産性が向上することが期待できます。

また、エンジニア個々人のできることが増えてくると、さらに新しいチャレンジをすることができるようになり、一人ひとりの成長の機会を増やしていくことができます。

今までの経験からこういった提案をしていたところ、エンジニア組織に関する打ち合わせやEMの定例ミーティングなどに少しずつ参加させていただけるようになり、気がついたらEMのような活動をさせていただいていたという感じですね(笑)。

会社の目線、現場の目線。すべて考慮した開発体制構築が、EMのミッション

EMという立場で、今後エンジニア組織をどのように変えていきたいとお考えですか。

藤田

いま一番注力しているのは、エンジニアがやりたいことと、会社がやってほしいことのギャップを埋めることです。

新しい機能を作るときに、目先の開発効率だけを考えれば、それぞれの得意分野を担当する進め方が一番ですよね。フロントエンドが得意なエンジニアがフロントエンド、バックエンドが得意なエンジニアがバックエンドの作業を行い、同じ業務に関わってプロジェクトを進めるのがよいと思います。

しかし、エンジニアの立場で考えると、プロジェクトの中で成長できるような機会を作れたほうがよいとも言えます。例えば先ほども紹介したような、フロントエンドエンジニアがバックエンドスキルを習得することなどです。

もちろん、それによってプロジェクトに遅れが出たら本末転倒です。そのため、マネージャーやディレクターに、「メンバーにこういうことを経験してほしいと思っています」ということを伝えるだけでなく、リリースまでのスケジュールや失敗したときの代替案も含め、納得できる落としどころを決めるようにしています。

今後はさらに、技術的な成長だけにとどまらず、チーム間の流動性も高めていきたいですね。Aチームにおいてはサポート役だった方が、Bチームだとリーダーシップを発揮できることがあるように、環境を変えることで生じる化学変化も事業にとってプラスになると考えています。そうやって、キャリア自体を楽しむように働いてもらえたら、と思っています。

「エンジニアのやりがい」に注力をされるようになった背景を教えていただけますか。

藤田

かつてSIerにいた頃はウォーターフォール型の開発が多かったこともあり、作業領域が明確にすみ分けされていました。これはやることが明確になってはいるものの、全体を俯瞰して見ることが難しかったり、新しいことにチャレンジする環境を用意しにくいという課題がありました。そのため、メンバーに与えられた役割によって身につく能力に大きな差がありました。

一方、そのあとに所属したベンチャー企業は、正反対の環境と言えます。社員一人ひとりでやれることが非常に大きく、やる気があればなんでもやらせてもらえるという、新しいチャレンジがしやすい環境である反面、属人化が進みやすい組織体制になっていました。

当社は今、その中間に位置する環境にあります。ですので、今まで私が経験した環境の良いところを兼ね備えた、エンジニアが働きやすく、かつ業務が属人化しすぎない環境にできたらいいなと思っています。

佐野さんはエンジニア組織をどのようにしていきたいとお考えですか。

佐野

エンジニア一人ひとりが、より集中して開発に取り組めるような組織整備を進めていきたいと思っています。制度面や環境面を整えていきたいですね。

EMとは「社内でエンジニアが気持ちよく働くための仕組みづくりをする人」だと私は考えています。先ほど藤田さんが言ったように、流動性を高めてチーム移動ができるようにするというのも、エンジニアが気持ちよく働くための要素の1つですよね。

私が入社してからこの2年間で見えてきた課題の1つが、入社後オンボーディングの部分です。自身、EMになる前からエンジニアのメンターをしていましたが、メンターという立場では組織構築に限界があるなと感じていたんです。

たとえば、部署横断である課題の調整をしたくても必要以上に労力がかかってしまったり、目の前の開発業務を優先しなければならず改善まで手が行き届かなかったりしました。またそもそも、オンボーディングのプログラムが完了すると、メンター制度としての1on1は終了となります。しかし、コロナ禍でリモートワークが中心の今、このタイミングでタッチポイントがなくなることに不安を覚える方が多いことに気づいたんです。

このように、日々の業務の中で見つかる課題を逃さず捉え、組織として必要な対策を適切にとっていこうと考えています。

「技術力が強いカオナビ」そう言われるような組織へ

SaaS企業としてこれからさらに飛躍していくためには、エンジニア組織の活性化が必要です。そのためEMのお仕事はさらに重要な役割になるかと思います。今後エンジニア組織がどのように変化していくことを期待されていますか?

佐野

やはり当社で働くことを、社外の人に自慢したいと思える場所にすることですね。働くなかで「他の人にも入ってほしい、お勧めしたい」という場所になれば、当然優秀な人も入ってくるでしょうし、それが自分にとっても誇りになります。そういう会社にできたらいいですね。

一方で、SaaS企業である以上、技術的な部分は常に向上させていく必要があります。「カオナビはこの技術がすごいよ」とアピールできる点をこれからも増やしていかなければなりません。

福利厚生や社内制度という文脈で「カオナビいいな」と思ってもらえることはかなり多くなっています。それに加えて、エンジニアリングの領域でも惹きつけ続けられる会社にしていきたいですね。

藤田さんはいかがですか?

藤田

私はエンジニアが「来てよかった」ともっと強く思える会社にしたいんです。日々の開発業務に向き合う中で、やりがいをより長く感じ続けられる状況にすることを目指しています。

SaaSプロダクトとして競合も存在していますから、開発速度を落とさないことと両立させることも当然必要です。だからこそ、常にエンジニアが新しいことを学んでいける環境にしていけたらと思っています。

EMは1つの通過点、今後のキャリアは自分で決める

今後、どのようなキャリアを描いていますか。

佐野

今の時点では自分がどのようなキャリアを歩んでいくのか正直わかりません。しかし、EMというマネジメント職を経験することで確実にキャリアの道は広がっていくと思っています。

私は今回のマネジメント職が初めての経験なんですが、このEMという役割を通じて、自分はマネジメントの仕事が好きか、適しているのかというのをじっくりと見極めていきたいと思います。結果、もしも自分に合わないと思えば、エンジニアに戻るという選択肢もありますし、カオナビはそれを受け入れてくれる会社だと感じています。

まだスタートしたばかりですし、やってみなければわからないですよね。EMがマネジメント職だけでなくエンジニア業務もできるというのが大きなポイントになるでしょうか。

佐野

そうですね。今はマネジメントとエンジニア職との割合が1:1になるように考えています。両方バランスよくできるのがEMの魅力です。

藤田さんからも、キャリアの見通しについてお聞きできますか?

藤田

今後もEMをずっとやっていこうと決めているわけではありません。ただ、自分が最も会社に貢献できるのはEMなのかなと感じているので、まずはそこに注力していきたいです。

ただ、私の場合これまでのキャリアを振り返ってみると、マネジメント方面にキャリアが寄ってしまう傾向があるんですよね(笑)。当社は、エンジニア個人がやりたいことをとても尊重してくれる会社なので、今後いろいろなことを経験していく中で、エンジニアリングに比重を置く時期が作れるといいなとも考えています。

マネジメント職に偏らず、エンジニア職とバランスを上手く取りながら両立していけたらいいですね。

カオナビの採用情報を知りたい方は

編集後記

一般的にマネージャーといえば、事業の成長とチームの牽引を同時に担っていくもの。しかし、時に事業成長にフォーカスするあまり現場のケアをおろそかにしてしまうこともあります。そんななか、カオナビのエンジニアリングマネージャーは常にエンジニア個々人の市場価値、キャリアを念頭に置いたマネジメントを実施しています。

事業の成長だけでなく、そこで働くエンジニア個々の成長にもコミットする。働くメンバーにとっては何とも頼もしい、そんなカオナビのマネジメント・カルチャーがうかがえる取材でした。

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