個人の成長を組織に還元する。顧客目線の想像力を持ちながらすすめる仕事のスタイルとは

Interviewee

宇谷 有史

2022.12.19

大きな組織になるほど、会社や部署の方針と自分のやりたいことのギャップに悩む……。そんな人も多いのではないでしょうか。どうすれば、自分の成長と組織の成長を両立させることができるのか。「今はチームが成長していることが楽しい」と語るテックリードの宇谷有史さんにお話を聞きました。

チーム作りはまだ始まったばかり。コードを書く背景に顧客理解を深め

どうしてカオナビへ転職されたのですか?

宇谷

前職の読書管理アプリの会社では、10人くらいの小規模な開発体制だったので、機能の企画から開発体制の構築まで、やれることは何でもやってきました。そこでも良い経験をさせていただいたのですが、新たな挑戦もしてみたいなと思っていたところに、カオナビのカジュアル面談をしてもらう機会があったんです。

実は、いまCTO室にいる富所さんとは以前から顔見知りで、どういう風に働いているかなど話を聞いていて、興味は持っていました。実際、エンジニアの方と話してみると、雰囲気も良く、面白そうなことができそうだと感じ、転職を決めました。

プロダクト本部サービス開発部 Strategyグループ
テックリード
宇谷 有史
コンビニエンスストアの発注システムの受託開発、読書管理アプリ会社でAPIやインフラ周りの企画・開発に携わった後、2022年4月にカオナビ入社。社内では「勉強熱心」と評判。

「新たな挑戦」とは具体的にどのようなことでしょうか?

宇谷

1つは、SaaSのプロダクトが増えてきている中で、実際にその開発に携わる経験をしてみたいと思ったことです。

もう1つは、ある程度大きな開発組織での経験を得たかったことです。たくさんのエンジニアがいれば、それぞれの考えや開発のやり方があるはずです。組織をどうやって調整、運営しているのかに興味がありました。

Strategyグループに所属されていますが、現在の業務内容を教えてください。

宇谷

ざっくり言うと、ユーザー企業の人事部の方が、異動などの人事計画を立てる時に使えるような機能を開発している部署になります。

私は、氏名や所属などスタッフの情報について履歴を取れるようにするための機能開発に現在携わっています。例えば、誰がどの部署でどのくらいの期間働いているかといった履歴情報を蓄積することで、人事担当者が社内の配置転換や異動の計画を立てる際のサポートとなるような機能を目指しています。

転職して働き方が変わったことで価値観に変化はありましたか?

宇谷

やはり、大きな組織で1つのプロダクトを作り上げていくことの良さと難しさを感じられるようになったということです。

今の時代は、エンジニア1人で作ったプロダクトが「ストアの1位になった」「世界にインパクトを与えた」なんてことは、なかなか起きないわけです。すると、どれだけいいチームを作って、いいプロダクト作りにつなげていくかということが重要になってきます。

そのためには、闇雲に開発してまぐれ当たりを狙っているだけではダメで、ユーザーのニーズはどこにあるのかということを組織全体で把握して、当たる確率を上げていくことが求められます。

つまり、エンジニア個人も単にプログラムを書いているだけではなく、顧客が何に困っているのかを理解して、それを解決するためにいかにチームとして上手くやっていくかまでを考えないといけない。そういうことを常に考えるようになりました。

そうしたチームづくりにも携わっているとのことですが、順調にいっていますか?

宇谷

当たり前ですが私たちは人事部の仕事を経験したことがありません。実際にユーザーがどのように使っているのかをイメージするための勉強も必要でした。

ありがたいことに、カオナビでは業務に役立つ話から得意分野の話まで、あらゆるナレッジを共有し合う、社員主催の勉強会の「テラコヤ」と呼ばれるスキル&キャリアサポート制度があったり、人事に詳しいドメインエキスパートに話を聞く機会があるので、徐々に学んでいきました。また、ユーザーの声を見直すことで、どういう機能を優先して開発すべきかということを話し合っています。

最初はメンバーそれぞれの経験ややり方が違う中で手探りの部分もありましたが、だんだんとみんなが同じ方向を向いて開発ができるようになってきたと思っています。もう少し経てば、よりまとまったいいチームになって、開発のスピードも上がるはずだという予感がして、順調にいっている手応えを感じています。

仕事のための勉強ではなく、楽しんでやった勉強が役に立つ

チームが機能するためには何が重要だと考えますか。

宇谷

繰り返しになりますが、チーム全体がユーザーの方を向いて、この機能がどう使われるのかという想像力を持っていることが大切です。そうすることで、エンジニア同士の議論においても、ユーザーがどう使うかという視点が自然と入ってくるからです。

ただ、それだけでは不十分です。システム開発でよく言われるのが、作った機能の8割は使われないということです。ユーザーへのヒアリングでは要望があったとしても、いざ作ってみると使われない、なんてことは日常茶飯事です。

最終的にはリリースしてみなければ分からない。だからこそ、そのリリースサイクルをいかに早くするかということが重要になってきます。出してみて使われなかったなら、何がいけなかったのかを検証して改善すればいいのですから。

組織として重要なのは、そうやってリリースサイクルを速くしていくことをみんなが当たり前だと思うようになることだと考えています。カオナビのエンジニアはそういう考え方をしている人が多いと感じます。

そのためにエンジニアの一人として心がけていることは何でしょうか?

宇谷

私の考える理想のエンジニアの条件は、3つ。「深い技術知識」、「プロダクトのユースケース理解」、そして「チームの協調性」です。そのために、実務の中で身に付けることはもちろんとして、日々の勉強も欠かせません。

私は、さまざまな本やポッドキャストなどから情報を得るようにしています。ただ、それは必ずしも仕事に役立つものだけを求めているわけではなく、単純に興味のあることや好きなことが結果的に仕事にも役立っていると表現したほうが正しいかもしれません。

おすすめのものを教えていただけますか?

宇谷

書籍なら『エンジニアリング組織論への招待』(広木大地著、技術評論社)は、不確実性ということをキーにして、どのように組織を上手く回るようにするかということを考える上で参考になります。

また、『ライト、ついてますか』( ドナルド・C・ゴース、G.M.ワインバーグ著、共立出版)は、問題解決について「それは誰の問題か」「問題は何なのか?」など本質的な思考を促してくれます。

ポッドキャストでは「fukabori.fm」が、エンジニアリングやチームビルディングなどについての話などが多く、非常に役立ちます。

ただ、私の場合は自分の好奇心に従って楽しんでいるだけで、あまり勉強しているという意識はないんです。周りの人からは勉強熱心だねと言われることもありますが、そんなつもりはまったくありません。むしろ、それだから継続できているのかもしれませんね。

顧客へ価値を届けるためのチーム作り

今後どのようなエンジニアになっていきたいですか?

宇谷

実のところ、自分自身のキャリアについてあまり深く考えたことはないんです。エンジニアとして楽しく仕事をしていきたいとは思っていますが、特定の方向に進みたいというよりは、面白いことがあればそこに飛び込めるような準備はしておきたい、という感じです。

もちろん個人の能力を伸ばす環境は整っていますが、今はさらにチームとしてどう成長していけるかの方に関心があります。先ほども申し上げたように、今のチームがどんどん良くなっているという手ごたえがあるので、それを継続していきたいと思っています。

どういう方向にチームを伸ばしていくのでしょうか。

宇谷

大きな開発になるほど、当然時間もかかります。半年かけて開発した機能が使われなかったりしたらダメージは大きいですよね。今はそれをできるだけなくすために、機能を細分化して細かくリリースするようにして顧客に小さく価値を届けることを意識するように徐々にやり方を変えていこうとしています。

そして、そういう変化がチーム全体に浸透してきているのを感じます。もちろん、正解があるわけではないのでこれですべてが上手くいくようになるわけではないですが、徐々にみんな同じ考え方でプロダクト開発ができているように実感しています。

ただ、一口に機能を細分化すると言っても、どう切るのか、そのための工数をどう見積もるのかといった考え方を、開発者だけでなくプロダクトオーナーとすり合わせていく必要もあります。そうした課題も見えてきています。

テックリードへ就任されたと聞きました。今後の意気込みをお聞かせください。

宇谷

今所属しているこのチームをもっと良くしていって、「社内のあのチームはとても参考になる」みたいな風に言われるようにできたらいいなっていうのは、最近ずっと考えています、そのためにもっと 頑張らなきゃなと感じてますし、少しでも勉強したことを活かしながらチームを牽引したいと思ってます。

カオナビの採用情報を知りたい方は

編集後記

たくさんの本やポッドキャストから情報を仕入れているという宇谷さん。好きだからこそ継続できるという言葉に納得しました。自分が楽しみながら仕事をしたい。だからこそ勉強もするし、チームとしてのバリューを出せるように努力するのが、カオナビらしさなのだと感じました。

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