カオナビでは、2023年7月にエンタープライズビジネス部を設立し、大企業を対象としたエンタープライズ(EP)領域のセールス・カスタマーサクセス(CS)に力を入れています。
今回は、エンタープライズビジネス部で活躍する5名のメンバーに話を聞きました。カオナビのEP戦略やセールス・CSの面白さなど、EP領域ならではの仕事の魅力に迫ります。
多様な経歴からエンタープライズ領域へ
まずは皆さんの所属されている部署と、カオナビに入社したきっかけについて教えてください。
エンタープライズビジネス部の既存セールスにあたる、アカウントセールスグループ(以下、セールスグループ)に所属しています。今回の5人の中だと、セールスグループに属しているのは私だけです。主な業務としては、既存顧客のアップセルとグループの横展開を目指した営業活動を行っています。

アカウント本部 エンタープライズビジネス部
アカウントセールスグループ
伊藤 彰孝
人材業界にてリクルーティングコンサルタントやキャリアコンサルタントなどの職務を経験した後、2022年3月にカオナビへ入社。EPセールスとして、既存アップセルやグループ横展開を目指した営業活動に従事する。
カオナビへの入社は知人からの紹介がきっかけです。2022年3月に入社して以降、ずっと既存セールスを担当しています。
主に製造業の大手グループ企業の活用支援を行う、エンタープライズコンサルティング1グループに所属しています。比較的規模の大きいお客様を担当させていただいており、丁寧に深く入り込んでいって活用促進やアップセルにつなげるのが、私たちCSのミッションです。

アカウント本部 エンタープライズビジネス部
エンタープライズコンサルティング1グループ
金子 宏美求人広告を扱う代理店で営業事務などを経験した後、2017年1月にカオナビへ入社。CSとして大手企業を中心に担当し、「カオナビ」の運用支援や活用促進を行う。
入社は2017年1月で、以前は紙媒体の求人広告を扱う広告代理店に勤めていました。働き方に疑問を覚え、業界的にも縮小傾向で未来が無いと感じたことがきっかけになり、エージェント経由でカオナビに転職しました。カオナビはすごくフラットな組織で、働きやすそうだと感じたのが入社の決め手になりました。
私も金子さんと同じく、エンタープライズコンサルティング1グループ所属です。業務内容も金子さんと同様です。

アカウント本部 エンタープライズビジネス部
エンタープライズコンサルティング1グループ
松尾 侑宇大人材業界で営業職やSaaS企業でCSのキャリアを経験し、2023年3月にカオナビへ入社。CSとして大手企業を中心に担当し、「カオナビ」の運用支援や活用促進を行う。
入社は2023年3月で、それまでのキャリアは人材業界での営業と、人事労務系SaaS企業のCSでした。もともとタレントマネジメントの部分に興味があり、培ってきた経験を活かしてタレントマネジメント領域に挑戦したいなと思ったのが、カオナビ入社のきっかけです。
エンタープライズコンサルティング2グループ所属で、CSとして金融・サービス業を中心とした大手グループ企業の活用支援を行っています。
私は2023年2月に入社して、初めは今の部署ではなく有償サポート対応の部署にいました。兼務を経て、完全に異動してきたのは2024年4月です。CSとしての業務に加えて、APIやSSOなどを活用したデータ連携に関する技術支援も担当しています。

アカウント本部 エンタープライズビジネス部
エンタープライズコンサルティング2グループ
志賀 美帆子IT企業でクラウドエンジニアとしてサーバー構築やプロジェクト管理業務を経験し、2023年2月にカオナビへ入社。「カオナビ」運用支援や活用促進を行うCS業務のほか、TAM(テクニカルアカウントマネージャー)としてデータ連携等の技術支援も担当。
前職はエンジニアとしてサーバー構築やプロジェクト管理をしていたのですが、もっとエンドユーザーと直接対話しながらプロダクトに反映させていく動きができる仕事をしたいと思い、カオナビに入社しました。
志賀さんと同じくエンタープライズコンサルティング2グループ所属で、CSとして動いています。

アカウント本部 エンタープライズビジネス部
エンタープライズコンサルティング2グループ
関野 菜奈未SaaS企業で初期導入コンサルティング業務を経験し、2023年7月にカオナビへ入社。CSとして大手企業を中心に担当し、「カオナビ」の運用支援や活用促進を行う。
入社は2023年7月で、前職は営業支援ツールのSaaS企業で初期導入コンサルティングの仕事をしていました。そこでは導入完了後のお客様との付き合いはありませんでしたので、その後まで伴走できる、継続的な活用支援ができる仕事がいいなと思い、CSの仕事を選びました。
エンタープライズビジネス部の体制について教えてください。
エンタープライズビジネス部は以下のグループに分かれています。 新規セールスのグループが受注したら、各企業ごとに既存セールスのグループとCSのグループから1人ずつアサインされます。1アカウント2名体制で活用支援を行ってアップセルにつなげていくのが、営業活動の大まかな流れです。
現在のように2名体制でつくようになったのは、1年半ほど前からです。2023年4月、EP戦略に力を入れていくためにエンタープライズビジネス部が正式に立ち上げられて、そこから今の体制になりました。
攻めの活用提案で顧客満足度を高め、“カオナビ推し”を増やす
EP攻略において、CSはどのような役割を担っているのでしょうか?
まずはオンボーディングを行うことが、CSの大きな役割です。「カオナビ」を新規導入いただいたお客様と導入目的の目線合わせをして、目標実現に向けた動きをスケジュールに落とし込みながら、運用がうまく回るようにサポートをしています。
もう1つ、オンボード後の活用促進についてもCSが担っています。導入の段階でお客様のやりたかったことができればそれで終わりというわけではありません。活用の幅を広げていただくためのご提案や、運用上の課題を解消するためのご提案も行い、「カオナビ」をより深くご活用いただくことで、お客様の満足度を高めていけるように心がけています。
オンボード完了の定義はどのように定めていますか?
人事部だけではなく、一般従業員も含め全社に対して「カオナビ」が公開されている状態が1つの目安です。ただ、それははあくまでも客観的に捉えられる指標として置いているだけで、お客様と導入時にすり合わせた目的が、1つでも実現できていると感じていただけているかが重要なポイントです。そのため、どのタイミングをオンボード完了とするかは、お客様によって異なります。

オンボード完了の定義がお客様によって違うとなると、CSの動き方は個人に委ねられるのではないかと感じました。CSの皆さんが共通で目指す目標などはあるのでしょうか?
CSに共通で設定されているKPIとして「NRR」があります。売上維持率と訳されますが、私たちは大きく「解約を防ぐこと」「プランアップなどによる売上拡大に寄与すること」が求められています。これを実現するためには、やはり「オンボードできている」ということが大前提ですので、毎月メンバーは2人1組で、お互いのお客様のオンボード状況をチェックし、適切なお声がけのタイミングやアプローチの仕方などを話し合っています。
「カオナビ」の活用支援がうまくいっているな、と感じる瞬間はありますか?
活用が進んでいるお客様は、取り組み内容を他社に紹介してくださったり、グループ企業間で「カオナビ」を勧めてくださったりすることがあります。お客様がこうして“カオナビ推し”でいてくださると、「カオナビ」の活用にご満足いただけているのだと実感しますし、CS冥利に尽きますね!
そもそもタレントマネジメントシステムを導入される大企業は、どういった課題を抱えておられるのでしょうか?
企業や業界によって異なりますが、例えば製造業などの現場作業が多い業界では、DXがなかなか進まないという課題を抱えておられることが多いようです。現場の方のITリテラシーと多くのアナログ業務により、なかなか新しいシステムが浸透しないという話はよく聞きます。

大手企業の人事担当者の方は、比較的人事トレンドに対する感度が高かったり、経営戦略と連動して人事の課題を捉えてたりしているケースが多いと感じます。そのため、私たちもお応えできるように日々情報をキャッチアップし、人事施策に対する知識を深める必要があります。
一方で、システムだけでは解決できない課題に対してはコンサル会社など弊社のビジネスパートナー様をご紹介させていただくこともありますので、「カオナビ」に関する知識だけでなく、提案の幅を広げるための情報収集も日々意識して行っていると思います。
横展開や全社展開のポテンシャルがあるからこそEP領域は面白い
営業活動を行う上で、EPならではの動きかたをすることはありますか?
グループ企業間で横展開していく動きと、部門導入から全社展開していく動き、この二軸を意識しながら営業活動を行うのはEPならではだと思います。
EPではそもそも最初から一気に全社導入されるケースは少なく、ほとんどがグループ子会社での導入や部門導入といったスモールスタートです。だからこそ、どんどん拡大していけるポテンシャルがあるんです。
私たちセールスはどこを狙い、どのような展開を広げていくのか、といったアカウントプランをCS側と共有し、CSの皆さんには次の展開を意識した活用提案を行っていただいています。攻めと守りの双方向で営業活動を行っているイメージです。
CSとしても、単純にお客様の部門や企業だけにフォーカスした活用提案を行うことも大事ですが、グループ企業や全社での活用を見越したご提案も行わなければなりません。拡大のポテンシャルが高いからこそ、先を見越した動きを考える必要があるのは、EPならではだと思います。

セールスにおけるEPの難しさ・やりがいについてはいかがですか?
決裁に時間がかかりやすく、受注までのリードタイムが長くなりがちなところは、EPならではの難しさの1つです。ただ、EPは売上比率が高く社内での期待値も高いため、セールスがうまくいったときのやりがいも大きいと感じます。
EP領域でのCS業務について、難しいと感じる部分はありますか?
やはりコミュニケーションを取る相手が多いところでしょうか。「カオナビ」は人事労務領域において、多岐にわたって活用できるシステムです。大企業だと人事部の中でも役割が細かく分かれていて、「カオナビ」の活用範囲内でもスキル管理はAさん、研修管理はBさん、と担当が異なるケースもあり、必然的に関わる人数が多くなっていきます。
そのおかげで活用支援を進めやすい面もありつつ、一方で日程調整が大変だったり、異動情報が追いきれなかったりと、難しさを感じる部分もあります。
「カオナビ」は1年ごとに契約更新を行うので、導入後お客様のやりたいことができて一安心、とはいきません。契約更新のタイミングで先方の体制が変わって考え方も変わるなど、環境の変化が起きることも少なくありません。それがカオナビの解約につながってしまうこともあります。
窓口となってくださるメイン担当者の考えだけを聞いていると、企業の全体像はなかなか把握しきれませんから、多くのステークホルダーとの関係性を構築していく必要があります。
反対に、EPならではのやりがいについて教えてください。
ステークホルダーが多いのは難しいところでもありますが、その反面、関係性を構築するのがやりがいにつながっているとも思います。

また、EPでは部門導入から全体導入に向けた長期的な計画を立てておられるお客様も多いです。適切なタイミングで活用のご提案を行い、お客様と一緒にプランを実現させていく面白さがあるのも、EPならではかもしれません。
カオナビのEP戦略はセールスとCSの二人三脚が要
エンタープライズビジネス部では、セールスとCSが横並びで一体となって動いている印象です。このことによるメリットとは何ですか?
CS側としては、金銭面での交渉やクロージングをセールスに任せられるのがありがたいです。そのおかげで、営業活動らしいアプローチをせずにお客様へのご提案ができるため、受け入れていただきやすいと感じています。
カオナビならではのEP戦略について教えてください。
EP戦略としては、先ほどもお伝えしたとおりアカウント担当、サクセス担当がグループ全体を2名体制でしっかりと伴走している点、また、グループ企業様限定のユーザー会を開催しているのは当社ならではだと思います。
「カオナビ」導入企業、未導入企業が一同に集まり、“正解がない”と言われているタレントマネジメントにおいて、グループ共通の課題、人事施策について交流できる場を定期的に実施しています。実はグループ企業様同士でも普段から人事担当者様の交流がないことが多く、実施後の満足度調査もいつも大満足いただいています。 こういった取り組みが、グループの横展開に寄与していると感じています。

グループ企業への横展開を成功させるために必要なことは何だと思われますか?
中核企業のキーマンとの関係性をしっかりと構築しておくことです。横展開の方法としては大きく2パターンあり、1つはグループの本体・ホールディングスからトップダウンで広げていく方法、もう1つはグループの中核会社・子会社複数に導入していただいてボトムアップで広げていく方法です。その方法を仕組み化するために必要なのが、グループに影響力のあるキーマンを見つけて会いに行くことなのではないかと思っています。
最近もトップダウンでグループ全社に導入いただいた事例がありました。セールスのやりやすさで言うとこちらの方がスムーズで、この成功パターンを仕組み化して他のアカウントグループにも応用させていくことが、今後のEP戦略に必要なのではないでしょうか。
コンサルグループの今後について、思い描く将来像はありますか?
コンサルグループができてから今までの1年半は、お客様との接点の持ち方や打ち合わせのやり方などをメンバー皆で模索してきました。ここからは各々の知見をまとめて、仕組み化していくフェーズになるのではないかと思います。
そうですね、目の前のお客様への対応で手一杯になることもあって…メンバーの中に蓄積されてきたナレッジをもっと共有する場を設けていきたいです。それぞれの知見を活かすことで大きく横展開できる部分もあると思うので、このあたりの仕組み化は主体的に進めていきたいですね。

セールスグループの今後についてはいかがですか?
セールスのスキルやCSとの連携についても、もっと仕組み化の余地がありますね。属人化させずに仕組み化して、もっともっと売り上げを伸ばしていきたいと思っています。
今後のエンタープライズの成長拡大にはどのようなことが必要だと思いますか?
CSがお客様の「カオナビ」活用の幅を広げて、セールスが横展開を進めて、その掛け算でどんどん拡大していくのが当社のEP戦略です。今後もセールスとCSがお互いに協力し合って、より密にコミュニケーションを取りながら動いていく必要があると思います。
お客様の中には、一般に広く名前が知られているような企業も多くいらっしゃいます。そういった企業の方に、例えばセミナーで「カオナビ」活用ナレッジを発信していただいたり、「〇〇社でも『カオナビ』を導入しています」と広告塔になっていただいたりして、もっと大きなインパクトを与えられるようにしたいです。それが新たなお客様を呼び込むことにもつながると思うんです。 エンタープライズ部門から「カオナビ」の価値を社内外に広く伝えていきたいです。
